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トップページ社会保険労務士試験情報局ブログ版バックナンバー健康保険法その3 2006/09/15
■健康保険法




■鍼灸、あん摩の施術を受けた場合

特殊な疾病等により、保険医による通常の療養を行っても効果が得られず、あん摩師、鍼灸師の施術によれば相当の効果が期待できるものとして、保険医の同意があった場合に、これらの者の施術を受け、保険者がその施術について必要性を認めた場合は、療養の給付に代えて療養費が支給されることになります。

なお、はり及びきゅうの施術を受けた場合に療養費の支給対象となる疾病は、慢性病であって、医師による適当な治療手段のないものであり、主として神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症等の病名であって、慢性的な疼痛を主疾とする疾患とされています。

また、はり及びきゅう、あん摩の施術を受けた場合の療養費の請求については、柔道整復師の手当を受けた場合と異なり、必ず、医師の同意書を添付する必要があります。(応急手当の場合は除く)

※同意書の様式は通知により定められており、病名、症状(主訴を含む)及び発病年月日が明記された診断書であって保険者が療養費を支給する上で療養費の支給の可否を判断できるものであれば、同意書に代えて診断書を添付してもよい取扱いになっている。(骨折、脱臼でマッサージを受ける場合は同意書のみ)

そして、同意書又は診断書に加療期間の記載がある場合は、その期間(3ヶ月を限度)内については、療養費支給申請の際に同意書又は診断書の添付を省略しても差し支えないことになっており、初療の日から3ヶ月を経過した時点において、更に施術を受ける場合に必要な医師の同意書については、実際に医師から同意を得ておれば、必ずしも医師の同意書の添付は必要でなく、療養費支給申請書に同意をした医師の氏名、住所、同意のあった年月日、病名等を付記すればよいことになっている。

はり及びきゅう、あん摩の施術を受けた場合の療養費の請求についてですが、柔道整復師の手当を受けた場合のように、施術者が受領委任を受けて請求する事実上の現物給付方式は認められていないので、施術を受けた被保険者が全額支払った後に保険者に療養費の請求をすることになります。

(参考)
鍼灸師等の施術を受けた場合の療養費の請求については、受領委任払を認めるか否か不明確なところがあった(保険者により認めたり、認めなかったり)が、受領委任払いを認めるように鍼灸師が保険者を相手どって提起した訴訟で、平成16年に千葉地方裁判所が「受領委任払いを認めない」判決を下し、そして、その控訴審で東京高等裁判所が平成18年に地裁判決を支持、控訴を棄却する判決を下したことで一応決着はついているようです。(今後はどうなるかわかりませんが・・・)

以上

  

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