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■令和1年一般-第4問(労働関係法規)

労働関係法規に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)労働者派遣法第44条第1項に規定する「派遣中の労働者」に対しては、賃金を支払うのは派遣元であるが、当該労働者の地域別最低賃金については、派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額が適用される。

(B)65歳未満の定年の定めをしている事業主が、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、新たに継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。)を導入する場合、事業主は、継続雇用を希望する労働者について労使協定に定める基準に基づき、継続雇用をしないこと
ができる。

(C)事業主は、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときを除いて、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。

(D)職業安定法にいう職業紹介におけるあっせんには、「求人者と求職者との間に雇用関係を成立させるために両者を引き合わせる行為のみならず、求人者に紹介するために求職者を探索し、求人者に就職するよう求職者に勧奨するいわゆるスカウト行為(以下「スカウト行為」という。)も含まれるものと解するのが相当である。」とするのが、最高裁判所の判例である。

(E)公共職業安定所は、労働争議に対する中立の立場を維持するため、同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所に、求職者を紹介してはならない。



■解説

(A)正解
最低賃金法13条
「派遣中の労働者」については、その派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額が適用されることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条、高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(平成24年11月9日厚生労働省告示第560号)
継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みは廃止され、平成25年4月1日から新たに継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とする制度とすることとされている。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、改正法の施行の際、既に労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めている事業主は、改正法附則第3項の規定に基づき、当該基準の対象者の年齢を平成37年3月31日まで段階的に引き上げながら、当該基準を定めてこれを用いることができることになっている。

(C)正解
障害者雇用促進法36条の2
事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するため、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。

(D)正解
東京エグゼクティブ・サーチ事件(平成6年4月22日)
職業安定法にいう職業紹介におけるあっ旋とは、求人者と求職者との間における雇用関係成立のための便宜を図り、その成立を容易にさせる行為一般を指称するものと解すべきであり、右のあっ旋には、求人者と求職者との間に雇用関係を成立させるために両者を引き合わせる行為のみならず、求人者に紹介するために求職者を探索し、求人者に就職するよう求職者に勧奨するいわゆるスカウト行為も含まれるものと解するのが相当であるとするのが最高裁判所の判例である。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
職業安定法20条1項
公共職業安定所は、労働争議に対する中立の立場を維持するため、同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所に、求職者を紹介してはならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

  

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