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トップページ過去問研究室(一般常識) 令和1年一般-第9問(社会保険制度の保険者及び被保険者等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■令和1年一般-第9問(社会保険制度の保険者及び被保険者等)

社会保険制度の保険者及び被保険者等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)A県A市に住所を有していた介護保険の第2号被保険者(健康保険の被扶養者)が、B県B市の介護保険法に規定する介護保険施設に入所することとなり住民票を異動させた。この場合、住所地特例の適用を受けることはなく、住民票の異動により介護保険の保険者はB県B市となる。

(B)国民健康保険に加入する50歳の世帯主、45歳の世帯主の妻、15歳の世帯主の子のいる世帯では、1年間保険料を滞納したため、世帯主は、居住する市から全員の被保険者証の返還を求められ、被保険者証を返還した。この場合は、その世帯に属する被保険者全員に係る被保険者資格証明書が交付される。

(C)船員保険の被保険者であった者が、74歳で船員保険の被保険者資格を喪失した。喪失した日に保険者である全国健康保険協会へ申出をし、疾病任意継続被保険者となった場合、当該被保険者は、75歳となっても後期高齢者医療制度の被保険者とはならず、疾病任意継続被保険者の資格を喪失しない。

(D)A県A市に居住していた国民健康保険の被保険者が、B県B市の病院に入院し、住民票を異動させたが、住所地特例の適用を受けることにより入院前のA県A市が保険者となり、引き続きA県A市の国民健康保険の被保険者となっている。その者が入院中に国民健康保険の被保険者から後期高齢者医療制度の被保険者となった場合は、入院前のA県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者となるのではなく、住民票上のB県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者となる。

(E)A県A市に住所を有する医療保険加入者(介護保険法に規定する医療保険加入者をいう。以下同じ。)ではない60歳の者は、介護保険の被保険者とならないが、A県A市に住所を有する医療保険加入者ではない65歳の者は、介護保険の被保険者となる。なお、介護保険法施行法に規定する適用除外に関する経過措置には該当しないものとする。



■解説

(A)誤り
介護保険法13条1項
一定の場合を除き、住所地特例対象施設(介護保険施設、特定施設、老人福祉法に規定する養護老人ホーム)に入所等をすることにより当該住所地特例対象施設の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であって、当該住所地特例対象施設に入所等をした際他の市町村の区域内に住所を有していたと認められるものは、当該他の市町村が行う介護保険の被保険者とすることになっている。
問題文の事例の場合は、住所地特例対象施設に入所等の被保険者の特例により従前の市町村であるA県A市の被保険者となる。
よって、「住所地特例の適用を受けることはなく、住民票の異動により介護保険の保険者はB県B市となる。」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
国保法9条3項・6項
保険料を滞納している世帯主が、特別の事情がないにもかかわらず、指定の期限までに保険料を納付しないときは、市町村は、当該世帯主に対し被保険者証の返還を求めるものとされており、当該世帯主は被保険者証を返還しなければならない。
そして、当該世帯主が被保険者証を返還したときは、市町村は、当該世帯主に対し、その世帯に属する被保険者に係る被保険者資格証明書を交付することとされているが、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者に対しては、有効期間を6か月とする被保険者証が交付されることになっている。
問題文の事例の場合、15歳の世帯主の子に対しては被保険者資格証明書ではなく、有効期間を6か月とする被保険者証が交付されることになる。
よって、「その世帯に属する被保険者全員に係る被保険者資格証明書が交付される。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
船員保険法14条
疾病任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第4号から第6号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失することになっている。
1.疾病任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき。
2.死亡したとき。
3.保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると全国健康保険協会が認めたときを除く。)。
4.被保険者となったとき。
5.健康保険の被保険者となったとき。
6.後期高齢者医療の被保険者等となったとき。
よって、問題文は誤りとなる。

(D)誤り
高齢者医療確保法55条の2
国民健康保険法に規定する「病院等に入院、入所又は入居中の被保険者の特例の適用」を受ける国民健康保険の被保険者であって、これらの規定により住所を有するものとみなされた市町村(従前住所地市町村)の加入する後期高齢者医療広域連合以外の後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する者が、次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、従前住所地市町村の加入する後期高齢者医療広域連合(従前住所地後期高齢者医療広域連合)が行う後期高齢者医療の被保険者とすることとされている。
1.75歳に達したとき。
2.厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の従前住所地後期高齢者医療広域連合の認定を受けたとき。
問題文の事例の場合、国民健康保険法に規定する「病院等に入院、入所又は入居中の被保険者の特例の適用」により住所を有するものみなされるA県A市の加入するA県の後期高齢者医療広域連合(従前住所地後期高齢者医療広域連合)が行う後期高齢者医療の被保険者になる。
よって、「住民票上のB県の後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者となる。」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
介護保険法9条
次のいずれかに該当する者は、市町村が行う介護保険の被保険者とされている。
1.市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第1号被保険者)
2.市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第2号被保険者)
よって、市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の者であって医療保険加入者でないものは、介護保険の被保険者とならないが、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者は医療保険の加入の有無に関係なく介護保険の被保険者となる。

  

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