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■平成15年一般-第9問(社会保険における給付の制限)

社会保険における給付の制限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)厚生年金保険の被保険者又は被保険者であった者が故意に障害又はその直接の原因となった事故をおこしたときは、その障害を支給事由とする障害厚生年金は等級を下げて支給する。

(B)国民健康保険の保険給付を受けることができる世帯主又は組合員が災害その他の政令で定める特別の事情がないのに保険料を滞納しているときは、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めることができる。

(C)国民年金の受給権者が正当な理由がなくて現況届を提出しないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。

(D)健康保険の被保険者又は被保険者であった者が正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。

(E)国民年金の被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には、その死亡を支給事由とする遺族基礎年金、寡婦年金又は死亡一時金を支給しない。



■解説

(A)誤り
厚年法73条
被保険者又は被保険者であった者が、故意に、障害又はその直接の原因となった事故を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は支給しないこととされている。
よって、「障害厚生年金は等級を下げて支給する」とした問題文は誤りである。
なお、障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、障害厚生年金の増額改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、改定を行うことができることになっている。

(B)正解
国保法63条の2第2項
国民健康保険の保険給付を受けることができる世帯主又は組合員が保険料を滞納しており、かつ、当該保険料の納期限から1年6か月が経過するまでの間に、当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとされている。(国保法63条の2第1項)
そして、1年6か月が経過しない場合であっても、世帯主又は組合員が保険料を滞納している場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めることができるとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
国年法73条、国年法105条3項
国民年金の受給権者が、正当な理由がなくて、現況届又は書類その他の物件を提出しないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができるとされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、一時差止め事由が消滅したときは、遡って年金給付が支給されることになる。

(D)正解
健保法119条
健康保険の被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができるとされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
国年法71条1項
遺族基礎年金、寡婦年金又は死亡一時金は、被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には、支給されないことになっている。
また、被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者についても、同様に支給されない取扱いとされている。
よって、問題文は正解となる。

  

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