社会保険労務士試験過去問研究室-平成17年一般-第2問（労働関係諸法令）

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平成17年一般-第2問（労働関係諸法令）

■社会保険労務士試験過去問研究室

■平成17年一般-第2問（労働関係諸法令）

次の記述のうち、正しいものはどれか。
なお、この問において「均等法」とは「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」のことであり、「調査」とは、「平成15年度女性雇用管理基本調査」のことである。

(A)調査によれば、セクシュアルハラスメントが起こった場合、対応として特に難しいと感じている内容として、「当事者の言い分が食い違う等、事実確認が難しい」とする企業割合が4割程度と高い。一方、「プライバシーの保持が難しい」とする企業割合は1割程度と低い。

(B)職場においてセクシュアルハラスメントが行われることがないように、均等法第11条は雇用管理上必要な措置を講ずることを、罰則を付して事業主に義務づけている。（一部改正）

(C)調査によれば、採用のあった企業のうち、男性のみ採用の職種・コースがあった企業の割合は1割程度であり、その理由で最も多かったのは、「女性の応募がなかった」であった。

(D)調査によれば、女性の活躍を推進する上での主な問題点としては、「家庭責任を考慮する必要がある」や「女性の勤務年数が平均的に短い」が挙げられる。

(E)小学校低学年までの子を養育する労働者を対象とした支援及び中小企業の重点支援により、子育て期における短時間勤務制度の導入・利用促進に向けた事業主の取組を促すことを目的として、国から育児・介護雇用安定等助成金が、最大で大規模事業主には100万円、中規模事業主には200万円、小規模事業主には300万円が助成される。（全部改正）

■解説

(A)誤り
平成15年度女性雇用管理基本調査
セクシュアルハラスメントが起こった場合、対応として特に難しいと感じている内容として、「当事者の言い分が食い違う等、事実確認が難しい」、「プライバシーの保持が難しい」とする企業割合が高く、それぞれ38.0％、37.2％であった。
よって、「プライバシーの保持が難しいとする企業割合は1割程度と低い」とした問題文は誤りである。
なお、セクシュアルハラスメントが起こった場合の対応として「特になし」も32.8％あった。

(B)誤り
男女雇用機会均等法11条
男女雇用機会均等法には、罰則規定は設けられていない。
よって、「職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置」の規定に違反しても罰則の適用はなく、問題文は誤りとなる。

(C)誤り
平成15年度女性雇用管理基本調査
採用のあった企業のうち、男性のみ採用の職種・コースがあった企業の割合は50.6％で、そのうち、男性のみを採用した理由は、「女性の応募がなかった」が55.0％と最も多く、次いで「募集・採用人数が１人だった」が25.5％、「女性の応募はあったが、試験の成績等が採用基準に達していなかった」が11.5％となっている。
よって、「男性のみ採用の職種・コースがあった企業の割合は1割程度」とした問題文は誤りである。

(D)正解
平成15年度女性雇用管理基本調査
女性の活躍を推進する上での問題点をみると、「家庭責任を考慮する必要がある」とする企業割合が48.7％と最も高く、次いで「女性の勤続年数が平均的に短い」が43.4％、「時間外労働、深夜労働をさせにくい」が35.5％、「一般的に女性は職業意識が低い」が20.8％となっている。

(E)誤り
雇用保険法62条、雇用保険則116条5項、育児･介護雇用安定等助成金支給要領
少なくとも小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者（小規模事業主は、少なくとも3歳に達するまでの子を養育する労働者）が利用できる短時間勤務制度を労働協約又は就業規則により制度化し、雇用保険の被保険者として雇用する小学校第3学年修了までの子を養育する労働者であって、短時間勤務制度の利用を希望した労働者に連続して6か月以上利用させた場合、育児・介護雇用安定等助成金（子育て期の短時間勤務支援コース）が支給されることになっている。
この育児・介護雇用安定等助成金（子育て期の短時間勤務支援コース）は、雇用保険ニ事業（雇用安定事業）として支給されるものであり、その支給額は最大で大規模事業主には40万円、中規模事業主には50万円、小規模事業主には100万円とされている。
よって、「国から育児・介護雇用安定等助成金が、最大で大規模事業主には100万円、中規模事業主には200万円、小規模事業主には300万円が助成」とした問題文は誤りである。

　　

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