社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(一般常識) 平成19年一般-第10問(児童手当法と介護保険法)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成19年一般-第10問(児童手当法と介護保険法)

児童手当法と介護保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)児童手当法の規定によると、一般事業主(厚生年金保険法等に規定する事業主等)には拠出金を納付する義務は存在しない。

(B)児童手当法の規定によると、被用者(厚生年金保険等の被保険者等)に対する児童手当(3歳に満たない児童(月の初日に生まれた児童については、出生の日から3年を経過しない児童)を対象とするものに限る。)に要する費用は、国庫、都道府県及び市町村がそれぞれ3分の1ずつを負担する。(一部改正)

(C)児童手当法の規定によると、被用者等でない自営業者等に対する児童手当に要する費用は、国庫が5分の3、都道府県及び市町村がそれぞれ5分の1ずつを負担する。(一部改正)

(D)介護保険法の規定によると、国は、財政調整のために行う調整交付金を除き、原則として、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものを除く。)に要する費用及び予防給付に要する費用(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものを除く。)の額についてはその100分の20に相当する額を負担する。

(E)介護保険法の規定によると、都道府県は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものを除く。)に要する費用及び予防給付に要する費用(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものを除く。)についてはその100分の20に相当する額を負担する。



■解説

(A)誤り
児童手当法20条2項
政府は、被用者に対する児童手当の支給に要する費用(3歳に満たない児童に係る児童手当の額に係る部分に限る。)及び児童育成事業に要する費用に充てるため、一般事業主(厚生年金保険法等に規定する事業主等)から、拠出金を徴収することになっており、一般事業主は、拠出金を納付する義務を負っている。
よって、「拠出金を納付する義務は存在しない」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
児童手当法18条1項
被用者(厚生年金保険法等の被保険者等)に対する児童手当(3歳に満たない児童(月の初日に生まれた児童については、出生の日から3年を経過しない児童)を対象とするものに限る。)の支給に要する費用は、その15分の7に相当する額を一般事業主からの拠出金をもって充て、その45分の16に相当する額を国庫、その45分の4に相当する額を都道府県及び市町村がそれぞれ負担することとされている。
よって、「それぞれ3分の1ずつを負担する」とした問題文は誤りとなる。

(参考)
原則的な児童手当の支給に要する費用の負担
事業主 都道府県 市区町村
被用者(3歳未満の児童分) 15分の7 45分の16 45分の4 45分の4
被用者(3歳以上中学校修了前の児童分)、被用者等でない者 なし 3分の2 6分の1 6分の1
公務員 国・地方公共団体がそれぞれ全額を負担

(C)誤り
児童手当法18条3項
被用者等でない者(被用者又は公務員(施設等受給資格者である公務員を除く。)でない者をいう。)に対する児童手当の支給に要する費用は、その3分の2に相当する額を国庫、その6分の1に相当する額を都道府県及び市町村がそれぞれ負担することになっている。
よって、「国庫が5分の3、都道府県及び市町村がそれぞれ5分の1ずつを負担する」とした問題文は誤りとなる。
なお、3歳以上中学校修了前の児童に対する児童手当の支給に要する費用も同様にその3分の2に相当する額を国庫、その6分の1に相当する額を都道府県及び市町村がそれぞれ負担することになっている。(児童手当法18条2項)

(D)正解
介護保険法121条1項1号、介護保険法122条
国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものを除く)及び予防給付(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものを除く)に要する費用の額についてその100分の20を負担する。
よって、問題文は正解となる。
なお、国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものに限る)及び予防給付(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものに限る)に要する費用の額についてその100分の15を負担する。
また、国は、介護保険の財政の調整を行うため、第1号被保険者の年齢階級別の分布状況、第1号被保険者の所得の分布状況等を考慮して、各市町村の介護給付及び予防給付に要する費用の額の総額の100分の5に相当する額の調整交付金を市町村に対して交付する。

(E)誤り
介護保険法123条1項1号
都道府県は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものを除く)及び予防給付(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものを除く)に要する費用の額についてその100分の12.5を負担する。
よって、「100分の20に相当する額を負担する」とした問題文は誤りとなる。
なお、都道府県は、政令で定めるところにより、市町村に対し、介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものに限る)及び予防給付(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものに限る)に要する費用の額についてその100分の17.5を負担する。

(参考)
介護保険における負担割合のまとめ
1.介護給付及び予防給付に要する費用の額
都道府県 市町村
100分の20 100分の12.5 100分の12.5
※国はその他、調整交付金として100分の5に相当する額を負担する。
※介護給付(介護保険施設及び特定施設入居者生活介護に係るものに限る)及び予防給付(介護予防特定施設入居者生活介護に係るものに限る)に要する費用については、国が100分の15、都道府県が100分の17.5、市長村が100分の12.5に相当する額を負担する。

2.地域支援事業に要する費用の額(介護予防事業)
都道府県 市町村
100分の25 100分の12.5 100分の12.5

3.地域支援事業に要する費用の額(包括的支援事業等支援額)
都道府県 市町村
100分の50 100分の25 100分の25

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(一般常識)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved