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トップページ過去問研究室(一般常識) 平成20年一般-第2問(男女雇用機会均等法等)
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■平成20年一般-第2問(男女雇用機会均等法等)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において、「男女雇用機会均等法」とは「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」のことであり、「指針」とは「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」である。

(A)産前産後の休業期間中の賃金については、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定により、賃金の3分の2に相当する額が保障されているが、勤務時間の短縮、育児時間及び生理休暇における賃金保障に関しては、法律上明文の規定がない。

(B)事業主は、男女雇用機会均等法第12条の規定により、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならないとされ、男女雇用機会均等法第13条の規定により、当該保健指導又は当該健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならないとされている。

(C)男女雇用機会均等法は、男女の労働者を対象とした職場におけるセクシュアルハラスメントの防止のため、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講ずることを、事業主に義務づけている。

(D)指針によれば、職場におけるセクシュアルハラスメントの対象となる労働者とは、いわゆる正規労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規労働者を含む事業主が雇用する労働者のすべてをいうとされている。

(E)指針によれば、対価型セクシュアルハラスメントとは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、当該労働者が解雇、降格、減給等の不利益を受けることであるとされている。



■解説

(A)誤り
育児介護休業法
育児介護休業法において、産前産後休業期間、勤務時間の短縮、育児時間及び生理休暇における賃金を保障する規定は設けられていない。
よって、「産前産後の休業期間中の賃金についてその3分の2に相当する額が保障されている」とした問題文は誤りとなる。
なお、健康保険の被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金として、1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給される。(健康保険法102条)

(B)正解
男女雇用機会均等法12条、13条1項
妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置として、事業主は、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならず、また、事業主は、その雇用する女性労働者が、保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならないとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
男女雇用機会均等法11条1項
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
指針(平成18年厚生労働省告示615号)
職場におけるセクシュアルハラスメントの対象となる労働者とは、いわゆる正規労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規労働者を含む事業主が雇用する労働者のすべてとされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、派遣労働者については、派遣元事業主のみならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者についても、労働者派遣法第47条の2の規定により、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者を雇用する事業主とみなされ、男女雇用機会均等法11条1項の規定(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)が適用されることから、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者についてもその雇用する労働者と同様に、雇用管理上の措置を講ずることが必要であるとされている。

(E)正解
指針(平成18年厚生労働省告示615号)
「対価型セクシュアルハラスメント」とは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応により、当該労働者が解雇、降格、減給等の不利益を受けることとされている。
よって、問題文は正解である。
なお、「環境型セクシュアルハラスメント」とは、職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることとされている。

  

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