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■平成25年一般-第3問(女性の雇用)

わが国の女性の雇用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は、「平成24年版男女共同参画白書(内閣府)」を参照しており、当該白書または当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。

(A)2010年の女性の25〜54歳層就業率は、OECD 諸国の中で上位10位以内に入る。

(B)女性の年齢階級別労働力率は、その形状から、M字カーブと呼ばれているが、有配偶者の労働力率が上昇してきたことが寄与して、M字のカーブが以前に比べ浅くなっている。

(C)女性の雇用労働者を雇用形態別に見ると、1980年代半ばから2010年頃まで一貫して、パート・アルバイトや派遣社員、契約社員等非正規雇用者の割合が正規の職員・従業員の割合を上回っていた。

(D)一般労働者における男女の平均所定内給与額の差は、長期的に縮小傾向にあり、特に、正社員・正職員の場合、2011年の男女の平均所定内給与額は、男性を100としたとき、女性は80まで上昇した。

(E)就業調整について、女性パートタイム労働者の約4分の1が「調整している」と回答したが、その理由として最も大きいのは、「一定額(130万円)を超えると、配偶者の健康保険、厚生年金等の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから」であった。



■解説

(A)誤り
平成24年版男女共同参画白書
2010年の女性の25〜54歳の就業率を他のOECD諸国と比較すると、我が国は30か国中22位である。また、女性労働力率のM字カーブは欧米諸国では既に見られない。
よって、「上位10位以内に入る。」とした問題文は誤りとなる。

(B)正解
平成24年版男女共同参画白書
女性の年齢階級別労働力率について昭和50年からほぼ10年ごとの変化を見ると、現在も依然として「M字カーブ」を描いているものの、そのカーブは以前に比べかなり浅くなっており、M字部分の底となっている年齢階級も変化している。
昭和50年では25〜29歳(42.6%)及び30〜34歳(43.9%)の2つの年齢階級が底となっていたが、25〜29歳の労働力率は次第に上がり、平成23年では、年齢階級別で最も高い労働力率(77.2%)となっている。23年を見ると35〜39歳(67.0%)の年齢階級がM字の底となっている。しかしながら、30〜34歳においても、労働力率が上昇しており、M字カーブは台形に近づきつつある。
なお、有配偶女性について、年齢階級別に年を追って見ると、20歳代後半の労働力率は過去に比べ大きく上昇しているが、30歳代前半の変化はそれほど大きくなく、平成23年の30歳代後半及び40歳代前半の労働力率は,2年とほとんど変化がない。これは、20〜44歳の年齢別未婚率の上昇や、子育ての時期が遅くなったことにより、労働市場から離れる時期が高い年齢層に移行したことも影響していると考えられる。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
平成24年版男女共同参画白書
女性の雇用労働者を雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員の割合は、1985年(昭和60年)に67.9%であったが、2011年(平成23年)には45.3%にまで減少している。
一方、パート・アルバイトや派遣社員、契約社員等非正規雇用者の割合は、1985年(昭和60年)に32.1%であったが、2011年(平成23年)には54.7%にまで上昇している。
よって、「一貫して、パート・アルバイトや派遣社員、契約社員等非正規雇用者の割合が正規の職員・従業員の割合を上回っていた。」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
平成24年版男女共同参画白書
一般労働者における男女の平均所定内給与額の差は、長期的に縮小傾向にあり、平成23年については、男性一般労働者の給与水準を100としたとき、女性一般労働者の給与水準は70.6と前年に比べ1.3ポイント縮小した。また、一般労働者のうち、正社員・正職員の男女の所定内給与額の差は73.3となっており、前年に比べ1.2ポイント縮小した。
よって、「女性は80まで上昇した。」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
平成24年版男女共同参画白書
就業調整について、女性パートタイム労働者の26%が「調整している」と回答したが、その理由として最も大きいのは、「自分の所得税の非課税限度額(103万円)を超えると、税金を支払わなければならないから」(55.3%)で、その次が「一定額(130万円)を超えると、配偶者の健康保険、厚生年金等の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから」(43.2%)であった。
よって、問題文は誤りとなる。

  

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