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■平成25年一般-第5問(就業形態の多様化)

就業形態の多様化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を使用している。

(A)生活をまかなう主な収入源を男女別にみると、男性では、正社員、正社員以外の労働者ともに「自分自身の収入」が最も高い割合となっているのに対して、女性では、正社員で「自分自身の収入」が、正社員以外の労働者で「配偶者の収入」が最も高い割合になっている。

(B)正社員以外の労働者(出向社員を除く。)について、現在の就業形態を選んだ理由(複数回答)を就業形態別にみると、パートタイム労働者では「自分の都合のよい時間に働けるから」、派遣労働者では「正社員として働ける会社がなかったから」がそれぞれ最も多くなっている。

(C)正社員以外の労働者で、「現在の会社」又は「別の会社」で働きたいと考えている労働者について、今後の就業に対する希望を就業形態別にみると、派遣労働者の約半数は「正社員に変わりたい」と考えているのに対して、パートタイム労働者の約8割は「現在の就業形態を続けたい」と回答している。

(D)職種別に正社員と正社員以外の労働者の構成比をみると、正社員の割合が高いのは「管理的な仕事」や「専門的・技術的な仕事」であり、逆に、「販売の仕事」や「事務的な仕事」は、正社員以外の労働者の割合が高くなっている。

(E)現在の職場での満足度についてみると、正社員、正社員以外の労働者ともに満足度が高いのは「仕事の内容・やりがい」、「正社員との人間関係、コミュニケーション」及び「正社員以外の労働者との人間関係・コミュニケーション」であり、両者ともに満足度が低いのは「賃金」、「教育訓練・能力開発のあり方」及び「人事評価・処遇のあり方」である。



■解説

(A)正解
平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査
正社員、正社員以外の労働者別に生活をまかなう主な収入源をみると、「自分自身の収入」が正社員では85.5%(前回84.9%、平成15年調査(以下「前々回」という。)77.0%)、正社員以外の労働者では49.1%(前回45.4%、前々回42.8%)と正社員、正社員以外の労働者ともに割合が上昇している。男女別にみると、男では、正社員、正社員以外の労働者ともに「自分自身の収入」が97.7%、82.3%と最も高い割合となっており、女では、正社員で「自分自身の収入」が55.2%、正社員以外の労働者で「配偶者の収入」が59.7%と最も高い割合となっている。また、正社員以外の労働者について就業形態別にみると、臨時的雇用者及びパートタイム労働者を除いた就業形態では「自分自身の収入」とする労働者割合が5割を超えている。一方、パートタイム労働者、臨時的雇用者ではそれぞれ34.0%、32.3%と他の就業形態と比べて低く、代わって「配偶者の収入」が、パートタイム労働者で50.7%、臨時的雇用者で47.9%と高い割合となっている。
よって問題文は正解となる。

(B)正解
平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査
正社員以外の労働者(出向社員を除く)について、現在の就業形態を選んだ理由(複数回答3つまで)をみると、「自分の都合のよい時間に働けるから」が38.8%(前回42.0%)、「家計の補助、学費等を得たいから」が33.2%(前回34.8%)、「通勤時間が短いから」が25.2%(前回23.2%)、「家庭の事情(家事・育児・介護等)や他の活動(趣味・学習等)と両立しやすいから」が24.5%(前回25.3%)などとなっている。
就業形態別には、パートタイム労働者では「自分の都合のよい時間に働けるから」が50.2%、「家計の補助、学資等を得たいから」が39.6%、「家庭の事情(家事・育児・介護等)や他の活動(趣味・学習等)と両立しやすいから」が30.9%、派遣労働者では「正社員として働ける会社がなかったから」が44.9%、契約社員では「専門的な資格・技能を活かせるから」が41.0%、「正社員として働ける会社がなかったから」が34.4%と比較的高い割合となっている。
年齢階級別には、すべての年齢階級で「自分の都合のよい時間に働けるから」が高い割合となっているが、10〜20代前半では男女ともに「自分で自由に使えるお金を得たいから」、20代後半〜50代後半の男では「正社員として働ける会社がなかったから」、10代の男と30代後半〜50代の女では「家計の補助、学資等を得たいから」、60代の男では「専門的な資格・技能を活かせるから」とする労働者の割合が比較的高い。
よって問題文は正解となる。

(C)正解
平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査
正社員以外の労働者について、今後の就業に対する希望をみると、「現在の会社で働きたい」が73.9%(前回66.7%)、「別の会社で働きたい」が12.6%(前回14.1%)などとなっている。
就業形態別にみると、「現在の会社で働きたい」は出向社員で82.2%、「別の会社で働きたい」は派遣労働者で25.1%とそれぞれ最も高い割合となっている。
また、「現在の会社で働きたい」又は「別の会社で働きたい」と回答した者の今後の働き方に対する希望をみると、「現在の就業形態を続けたい」が69.8%、「他の就業形態に変わりたい」が29.1%となっており、「他の就業形態に変わりたい」とする労働者の希望する就業形態の内訳は、「正社員に変わりたい」が25.7%、「他の正社員以外の就業形態に変わりたい」が3.4%となっている。
就業形態別にみると、「現在の就業形態を続けたい」は、嘱託社員、出向社員、パートタイム労働者でそれぞれ83.1%、78.5%、78.1%と高い割合となっている。一方、「他の就業形態に変わりたい」は、派遣労働者、契約社員でそれぞれ57.8%、52.7%と高い割合となっており、希望する就業形態の内訳は、「正社員に変わりたい」がそれぞれ50.9%、49.2%、「他の正社員以外の就業形態に変わりたい」がそれぞれ6.9%、3.5%となっている。
よって問題文は正解となる。

(D)誤り
平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査
職種別に正社員と正社員以外の労働者の構成比をみると、「管理的な仕事」(正社員90.7%、正社員以外の労働者9.3%)、「専門的・技術的な仕事」(正社員67.0%、正社員以外の労働者33.0%)、「事務的な仕事」(正社員72.1%、正社員以外の労働者27.9%)と正社員の割合が高くなっており、逆に「販売の仕事」(正社員46.3%、正社員以外の労働者53.7%)、「サービスの仕事」(正社員25.0%、正社員以外の労働者75.0%)、「運搬・清掃・包装等の仕事」(正社員27.2%、正社員以外の労働者72.8%)は、正社員以外の労働者の割合が高くなっている。
よって、「事務的な仕事」について正社員以外の労働者の割合が高くなっているとした問題文の記述は誤りとなる。

(E)正解
平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査
現在の職場での満足度についてみると、正社員、正社員以外の労働者ともに満足度が高いのは「仕事の内容・やりがい」(正社員56.7ポイント、正社員以外の労働者57.1ポイント)、「正社員との人間関係、コミュニケーション」(同45.0ポイント、同44.7ポイント)、「正社員以外の労働者との人間関係・コミュニケーション」(同43.2ポイント、同49.4ポイント)などであり、両者ともに満足度が低いのは「賃金」(同8.5ポイント、同5.1ポイント)、「教育訓練・能力開発のあり方」(同12.9ポイント、同2.6ポイント)、「人事評価・処遇のあり方」(同13.7ポイント、同15.7ポイント)などとなっている。
正社員と正社員以外の労働者を比較してみると、正社員の方が満足度が高いのは「雇用の安定性」、「福利厚生」、「教育訓練・能力開発のあり方」などであり、逆に正社員以外の労働者の方が満足度が高いのは「労働時間・休日等の労働条件」、「正社員以外の労働者との人間関係・コミュニケーション」などとなっている。
「職業生活全体」でみると、正社員が33.7ポイント、正社員以外の労働者が24.2ポイントと正社員の方が満足度は高くなっている。
就業形態別には、いずれの形態においても「仕事の内容・やりがい」、「正社員との人間関係、コミュニケーション」、「正社員以外の労働者との人間関係、コミュニケーション」が比較的高い中で、派遣労働者では「労働時間・休日等の労働条件」が47.3ポイントと高い反面、「教育訓練・能力開発のあり方」がマイナス10.3ポイント、「雇用の安定性」がマイナス10.1ポイントとなっている。
さらに、出向社員を除いた正社員以外の労働者について、現在の就業形態を選んだ理由別にみると、すべての理由において「仕事の内容・やりがい」の満足度が高くなっている。一方で、特に「正社員として働ける会社がなかったから」においては、男では「賃金」、「教育訓練・能力開発のあり方」、「雇用の安定性」、「福利厚生」が、女では「賃金」、「教育訓練・能力開発のあり方」、「福利厚生」、「雇用の安定性」、「人事評価・処遇のあり方」がマイナスポイントとなっている。
よって問題文は正解となる。

  

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