社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(一般常識) 平成26年一般-第2問(労働関係法規等)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成26年一般-第2問(労働関係法規等)

労働関係法規等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)労働施策総合推進法は、労働者の募集、採用、昇進または職種の変更に当たって年齢制限をつけることを、原則として禁止している。(一部改正)

(B)高年齢者雇用安定法は、事業主に、定年年齢を定める場合には65歳以上とすることを義務づけている。

(C)男女雇用機会均等法第7条(性別以外の事由を要件とする措置)には、労働者の募集又は採用に関する措置であって、労働者の身長、体重又は体力に関する事由を要件とするものが含まれる。

(D)最低賃金法に定める最低賃金には、都道府県ごとに定められる地域別最低賃金と、特定の産業について定められる特定最低賃金があり、これらに反する労働契約の部分は無効となり、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされるが、同法違反には罰則は定められていない。

(E)労働組合法に定める労働組合とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを目的として組織する団体又はその連合団体をいうとされており、政治運動又は社会運動を目的とする団体又は連合団体はおよそ労働組合法上の労働組合とは認められない。



■解説

(A)誤り
労働施策総合推進法9条
労働施策総合推進法9条には「事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」と規定されており、募集及び採用における年齢制限を原則として禁止している。
よって、「昇進または職種の変更に当たって」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
高年齢者雇用安定法8条
事業主がその雇用する労働者の定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない。
よって、「65歳以上とすることを義務づけている。」とした問題文は誤りとなる。
なお、高年齢者が従事することが困難であると認められる業務として厚生労働省令で定める業務(坑内作業の業務)に従事している労働者については、60歳を下回ることも認められている。

(C)正解
男女雇用機会均等法7条、男女雇用機会均等法施行規則2条
次の実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置については、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならないこととされている。

実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置
1.労働者の募集又は採用に関する措置であって、労働者の身長、体重又は体力に関する事由を要件とするもの
2.労働者の募集若しくは採用、昇進又は職種の変更に関する措置であって、労働者の住居の移転を伴う配置転換に応じることができることを要件とするもの
3.労働者の昇進に関する措置であって、労働者が勤務する事業場と異なる事業場に配置転換された経験があることを要件とするもの

よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
最低賃金法4条、最低賃金法40条
使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないこととされており、最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とし、無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなされることとなっている。
そして、この最低賃金の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)は、50万円以下の罰金に処せられることになり、特定最低賃金以上の賃金を支払わなかった場合は、労働基準法24条違反として、30万円以下の罰金に処せられることになる。(労基法120条)
よって、「同法違反には罰則は定められていない。」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
労働組合法2条
労働組合法における「労働組合」とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいうが、次に該当するものは、労働組合とは認められない。
(1)役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
(2)団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
(3)共済事業その他福利事業のみを目的とするもの
(4)主として政治運動又は社会運動を目的とするもの
よって、労働組合がその活動の一部として政治運動又は社会運動をすることは問題がなく(主として政治運動又は社会運動を目的とする団体等が労働組合とは認められないことになる。)、「政治運動又は社会運動を目的とする団体又は連合団体はおよそ労働組合法上の労働組合とは認められない。」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(一般常識)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved