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労働関係法規等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 (A)男女雇用機会均等法第9条第3項の規定は、同法の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり、女性労働者につき、妊娠、出産、産前休業の請求、産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、同項に違反するものとして違法であり、無効であるというべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。 (B)使用者は、労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合には、神経科の医院への通院、その診断に係る病名、神経症に適応のある薬剤の処方など労働者の精神的健康に関する情報については労働者本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で、必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要があるものというべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。 (C)障害者雇用促進法は、事業主に一定比率(一般事業主については2.2%)以上の障害者の雇用を義務づけ、それを達成していない常時使用している労働者数が101人以上の事業主から、未達成1人につき月10万円の障害者雇用納付金を徴収することとしている。(一部改正) (D)平成15年に、平成27年3月31日までの時限立法として制定された次世代育成支援対策推進法は、平成26年の改正法により、法律の有効期限が平成37年3月31日まで10年間延長され、新たな認定制度の創設等が定められた。 (E)専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法は、5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている専門的知識等を必要とする業務に就く専門的知識等を有する有期雇用労働者等について、労働契約法第18条に基づく無期転換申込権発生までの期間に関する特例を定めている。
(A)正解 男女雇用機会均等法9条、広島中央保健生活協同組合事件(平成26年10月23日) 男女雇用機会均等法9条3項の規定は、同法の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり、女性労働者につき、妊娠、出産、産前休業の請求、産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、同項に違反するものとして違法であり、無効であるというべきであるというのが最高裁判所の判断である。 よって、問題文は正解となる。 (B)正解 東芝うつ病・解雇事件(平成26年3月24日) 自らの精神的健康(いわゆるメンタルヘルス)に関する情報は、神経科の医院への通院、その診断に係る病名、神経症に適応のある薬剤の処方等を内容とするもので、労働者にとって、自己のプライバシーに属する情報であり、人事考課等に影響し得る事柄として通常は職場において知られることなく就労を継続しようとすることが想定される性質の情報であったといえる。使用者は、必ずしも労働者からの申告がなくても、その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき安全配慮義務を負っているところ、労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合には、上記のような情報については労働者本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で、必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要があるものというべきであるとするのが最高裁判所の判断である。 よって、問題文は正解となる。 (C)誤り 障害者雇用促進法54条、障害者雇用促進法附則4条、障害者雇用促進令17条 事業主は、常時雇用する労働者の総数に障害者雇用率(一般事業主については100分の2.2)を乗じて得た数以上の身体障害者、知的障害者又は精神障害者を雇用することが義務づけられている。 そして、障害者雇用率未達成である常時雇用労働者数101人以上の事業主からは不足人数1人につき月5万円(雇用労働者数が常時100人を超え200人以下である事業主は平成32年3月31日まで4万円)の障害者雇用納付金を徴収することとしている。 よって、「未達成1人につき月10万円」とした問題文は誤りとなる。 (D)正解 次世代育成支援対策推進法附則2条 次世代育成支援対策推進法は平成27年4月1日の改正法施行により、有効期限が10年間延長され平成37年3月31日までとなり、新たな認定(特例認定)制度が創設等された。 よって、問題文は正解となる。 (E)正解 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法8条1項 特定有期業務に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者(年収が1年当たり1,075万円以上であり、専門知識等を有る者をいう。)については、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間(5年間)を延長し、通算契約期間が5年を超える場合であっても、有期業務の開始の日から完了の日までの期間(10年間を上限とする。)は、期間の定めのない労働契約への転換の申込みはできない特例が設けられている。 よって、問題文は正解となる。 |
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