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トップページ > 過去問研究室(一般常識)> 平成27年一般-第5問(企業における人材マネジメントの変化) | |||||
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我が国の企業における人材マネジメントの変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 なお、本問は、「平成26年版労働経済白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書または当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。 (A)1990年から2010年までの我が国の就業者の職業構造の変化をみると、生産工程・労務作業者が就業者に占める割合は大きく低下している一方で、管理的職業従事者、専門的・技術的職業従事者やサービス職業従事者ではその割合が上昇している。 (B)人材マネジメントの基本的な考え方として、「仕事」をきちんと決めておいてそれに「人」を当てはめるという「ジョブ型」雇用と、「人」を中心にして管理が行われ、「人」と「仕事」の結びつきはできるだけ自由に変えられるようにしておく「メンバーシップ型」雇用があり、「メンバーシップ型」が我が国の正規雇用労働者の特徴であるとする議論がある。 (C)企業の正規雇用労働者の管理職の育成・登用方針についてみると、内部育成・昇進を重視する企業が多数派になっており、この割合を企業規模別にみても、同様の傾向がみられる。 (D)我が国の企業は、正規雇用労働者について、新規学卒者を採用し、内部育成・昇進させる内部労働市場型の人材マネジメントを重視する企業が多数であり、「平成24年就業構造基本調査(総務省)」を用いて、60歳未満の正規雇用労働者(役員を含む)に占める転職経験がない者の割合をみると6割近くになっている。 (E)グローバル化によって激しい国際競争にさらされている業種が、外国からの安価な輸入財に価格面で対抗しようとして、人件費抑制の観点からパートタイム労働者比率を高めていることが確認された。
(A)正解 平成26年版労働経済白書 1990年から2010年までの我が国の就業者の職業構造の変化をみると、生産労務従事者が就業者に占める割合は大きく低下している一方で、管理、専門・技術職やサービス職ではその割合が上昇していることが分かり、ITを始めとする技術が職種構造に影響を与えている可能性が示唆される。 よって、問題文は正解となる。 (B)正解 平成26年版労働経済白書 人材マネジメントの基本的な考え方として、「仕事」をきちんと決めておいてそれに「人」を当てはめるという「ジョブ型」雇用と、「人」を中心にして管理が行われ、「人」と「仕事」の結びつきはできるだけ自由に変えられるようにしておく「メンバーシップ型」雇用があり、「メンバーシップ型」が日本の正規雇用労働者の特徴であるとする議論もある。 よって、問題文は正解となる。 (C)正解 平成26年版労働経済白書 企業の正規雇用労働者の管理職の育成・登用方針についてみると、内部育成・昇進を重視する企業が約7割であるのに対し、経験人材の外部調達を重視する企業は1割以下となっている。企業規模別にみると、経験人材の外部調達を重視する企業の割合は企業規模が小さくなるほど高くなっているが、99人以下の小規模企業でも1割程度にとどまっている。また、産業別にみると、教育、学習支援業、医療・福祉、運輸業・郵便業で経験人材の外部調達を重視する企業の割合が比較的高くなっている。 よって、問題文は正解となる。 (D)正解 平成26年版労働経済白書 我が国においては、正規雇用労働者については、新規学卒者を採用し、内部育成・昇進させる内部労働市場型の人材マネジメントを重視する企業が多数であるが、正規雇用労働者のうち内部労働市場型の人材マネジメントの対象となっている者がどの産業・職業にどの程度いるかを直接的に把握することは困難である。そこで、「平成24年就業構造基本調査」を用いて、60歳未満の正規雇用労働者(役員を含む)に占める転職経験が無い者の割合をみると、3,280万人のうち、57%を占める1,870万人となっている。 よって、問題文は正解となる。 (E)誤り 平成26年版労働経済白書 外国からの安価な輸入財に価格競争で対抗しようとする場合、人件費を抑制する観点からもパートタイム労働者の活用が進む可能性がある。また、市場が国際化し、製品サイクルが短くなっていることが指摘されるが、製品の寿命が短く、市場で売れる時期と売れない時期に不確実性が生まれる場合は、雇用を固定的なものから、変動的なものにする傾向が強くなるかもしれない。 この影響をみるために、製造業種における輸入浸透率とパートタイム労働者比率の関係をみると、輸入浸透率が高い業種、すなわち貿易を通じて国際競争に厳しくさらされる企業が、必ずしもパートタイム労働者比率を高めて、それに対応しているわけではない。 よって、「人件費抑制の観点からパートタイム労働者比率を高めていることが確認された。」とした問題文は誤りとなる。 |
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