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■平成29年一般-第10問(社会保障協定)

社会保障協定及び社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)社会保障協定とは、日本の年金制度と外国の年金制度の重複適用の回避をするために締結される年金に関する条約その他の国際約束であり、日本の医療保険制度と外国の医療保険制度の重複適用の回避については、対象とされていない。

(B)平成29年3月末日現在、日本と社会保障協定を締結している全ての国との協定において、日本と相手国の年金制度における給付を受ける資格を得るために必要とされる期間の通算並びに当該通算により支給することとされる給付の額の計算に関する事項が定められている。

(C)日本の事業所で勤務し厚生年金保険の被保険者である40歳の労働者が、3年の期間を定めて、日本と社会保障協定を締結している国に派遣されて当該事業所の駐在員として働く場合は、社会保障協定に基づいて派遣先の国における年金制度の適用が免除され、引き続き日本の厚生年金保険の被保険者でいることとなる。

(D)社会保障協定により相手国の年金制度の適用が免除されるのは、厚生年金保険の被保険者であり、国民年金の第1号被保険者については、当該協定により相手国の年金制度の適用が免除されることはない。

(E)日本と社会保障協定を締結している相手国に居住し、日本国籍を有する40歳の者が、当該相手国の企業に現地採用されることとなった場合でも、その雇用期間が一定期間以内であれば、日本の年金制度に加入することとなり、相手国の年金制度に加入することはない。



■解説

(A)誤り
社会保障協定の実施に伴う厚生年金法等の特例等に関する法律2条
社会保障協定とは、我が国と我が国以外の締約国との間の社会保障に関する条約その他の国際約束であって、次に掲げる事項の一以上について定めるものをいう。
1.医療保険制度に係る我が国の法令及び相手国法令の重複適用の回避に関する事項
2.年金制度に係る我が国の法令及び相手国法令の重複適用の回避に関する事項
3.我が国及び相手国の年金制度における給付を受ける資格を得るために必要とされる期間の通算並びに当該通算により支給することとされる給付の額の計算に関する事項
よって、「重複適用の回避については、対象とされていない。」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律等
イギリス・韓国との社会保障協定では、加入年金期間等を通算する措置は設けられておらず、保険料の二重負担の防止のみである。
よって、「全ての国との協定において」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定等
事業所から社会保障協定相手国へ5年を超えない見込みで派遣される場合には、社会保障協定の例外規定が適用され、引き続き日本の社会保障制度のみに加入し、社会保障協定相手国の社会保障制度の加入が免除されることになる。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定等
国民年金第1号被保険者が、原則として以下の条件を満たす場合は、日本の社会保障制度のみに継続して加入し、社会保障協定相手国の社会保障制度の免除を受けることができる。
1.協定相手国で就労期間中も日本の社会保障制度に加入していること
2.日本で従事していた自営活動を、一時的に協定相手国で(同一の自営活動を)行うこと
3.協定相手国での就労期間が開始時点で5年以内と見込まれること
よって、「年金制度の適用が免除されることはない。」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定等
社会保障協定の相手国の企業に現地採用されることとなった場合には、協定相手国の社会保障制度に加入することになり、日本の年金制度に加入することはない。
よって、問題文は誤りとなる。

  

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