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■平成13年健保-第8問(法令全般関係)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)保険料納付義務者が破産手続開始の決定を受けた場合、納期を過ぎていない保険料について納期を繰り上げて保険料を徴収することができる。(一部改正)

(B)事業主が、正当な理由なしに、その使用する者の異動又は報酬に関して義務づけられている報告をしなかったり、虚偽の報告をしたときは、6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。(一部改正)

(C)被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、その処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、社会保険審査官に対し審査請求をすることができる。

(D)保険料、その他健康保険法の規定による徴収金の徴収、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、2年を経過したときに時効によって消滅する。

(E)任意継続被保険者の被保険者証の交付は、保険者が強制適用事業所に使用される被保険者又は任意適用事業所に使用される被保険者の資格喪失日の前日の事業主を経由して送付する。(一部改正)



■解説

(A)正解
法172条1号ハ
次の場合は、納期前であっても、すべての保険料を徴収することができることになっている。
1.納付義務者が、次のいずれかに該当する場合
イ.国税、地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき。
ロ.強制執行を受けるとき。
ハ.破産手続開始の決定を受けたとき。
ニ.企業担保権の実行手続の開始があったとき。
ホ.競売の開始があったとき。
2.法人である納付義務者が、解散をした場合
3.被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

なお、「保険料の繰上徴収」をする場合において、指定する期限までに保険料が納入されない場合は、督促をすることなしに国税滞納処分の例により滞納処分をすることができる。(法180条)

(B)正解
法208条1号
事業主が、正当な理由がなくて次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることになる。

1.被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を保険者に届出せず、又は虚偽の届出をしたとき
2.任意適用事業所取消の認可、被保険者資格の得喪の確認、標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう。)の決定若しくは改定について被保険者又は被保険者であった者に通知しないとき
3.保険料納付義務に違反して督促状に指定する期限までに保険料を納付しないとき
4.保険料納付義務に違反して保険料を納付せず、健康保険印紙の受払及び現金納付に関する帳簿を備え付けず、その受払等の状況を保険者に報告せず、若しくは虚偽の報告をしたとき
5.厚生労働大臣又は社会保険庁長官による被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する立入検査等に対して文書その他の物件の提出若しくは提示をせず、又は当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは立入検査等を拒み、妨げ、忌避したとき

(C)正解
法189条1項、社審法4条1項
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に社会保険審査官に審査請求することができる。(審査請求は口頭又は文書で行う。)
なお、正当な事由(天災その他やむを得ない事由のこと)によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、審査請求の期間を経過していても受理されることになる。

(D)正解
法193条1項
問題文は正しい記述である。
保険給付には、「療養の給付(現物給付)」は含まれない。これは、現物給付には時効の問題は生じないからである。よって、入院時食事療養費、特定療養費、訪問看護療養費、家族療養費(現物給付部分のみ)、家族訪問看護療養費についても現物給付とみなすことになっているため、時効の問題は生じない。
なお、民法の規定に関係なく、保険料等の納入告知又は督促のみで時効中断の効力が発生することになっている。(法193条2項)

(E)誤り
則47条2項但書
保険者が保険証を交付する場合、事業所等に勤務する一般者については事業主を経由して交付することになっているが、任意継続被保険者である場合は、被保険者に直接交付することになっている。
よって、資格喪失前の保険者を経由して任意継続被保険者の保険証を交付するとした問題文は誤りである。

  

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