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■平成14年健保-第4問(保険医療機関等)

保険医療機関等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)健康保険組合の開設する病院若しくは診療所又は薬局は、保険医療機関等としての指定を受けていなくても、療養の給付を行うことができる場合がある。

(B)厚生労働省令で定める保険医療機関等は、その指定の効力を失う日前6月から同日前3月までの間に別段の申し出をしないときは、指定の申請があったものとみなされると規定されているが、病床を有する診療所等はこの規定から除かれる。(一部改正)

(C)厚生労働大臣は、病院または診療所につき保険医療機関の指定の申請があった場合において、当該病院又は診療所の医師、歯科医師、看護師その他の従業者の人員が医療法に規定する厚生労働省令の定める員数を勘案して厚生労働大臣の定める員数に満たないときは、地方社会保険医療協議会の議を経て、申請における病床の全部又は一部を除いて指定することができる。

(D)保険医療機関は、被保険者が低所得者であることを課税証明書によって確認できたとしても、患者一部負担金を減免することはできない。

(E)保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、健康保険の診療又は調剤にあたるほか、健康保険法以外の医療保険各法又は老人保健法による診療又は調剤にもあたらなければならない。



■解説

(A)正解
法63条3項3号、昭和32年9月2日保険発第123号
健康保険組合である保険者が開設する病院若しくは診療所又は薬局については、保険医療機関等の指定を受けていない場合でも、その健康保険組合の組合員に対しては、療養の給付を行うことができる。
しかし、健康保険組合たる保険者の開設する病院若しくは診療所又は薬局は、保険医療機関としての指定を受けなければその他の被保険者の診療を行うことはできないとされている。

(B)正解
法68条2項、指定省令4条
個人開業医や個人薬局等については、保険医療機関等の指定の効力を失う日(指定の日から起算して6年を経過する日)前6月から同日3月までの間に再指定を受ける意思のないことを申出しない限り、再指定の申請があったとみなされる(再指定されたものとみなされるわけではないので注意)ことになっている。
しかし、病床を有する診療所等には、この「再指定申請のみなし」は適用されない。

(C)誤り
法65条2項・4項、法67条
厚生労働大臣が、地方社会保険医療協議会の議を経ることにより、その申請のあった病床の全部又は一部を除いて、保険医療機関の指定を行うことができるのは、「病院又は病床を有する診療所」に対してである。
よって、「病院または診療所につき」としている問題文は誤りである。
なお、申請のあった病床の全部又は一部を除いて指定することができるのは次の場合である。
1.病院等の医師・看護師等の人員が入院患者数に照らして著しく不足している場合
2.すでに必要かつ十分な病床が確保されている病床過剰地域における保険医療機関の開設について、病院等の新設、増床、病床の種別変更に関して医療法に基づく勧告が行われ、それに従わないとき。
3.その他、適正な医療の効率的な提供を図る観点から、病床の利用に関し保険医療機関として著しく不適当な病床と認められる場合

(D)正解
法74条1項、法84条2項・3項、昭和32年9月2日保険発第123号
保険医療機関等で被保険者が療養の給付を受けた場合は、原則として一部負担金を支払う必要があり、低所得者であることを証明したとしても減免することはできない。
しかしながら、法63条3項2号のいわゆる事業主医局については、一部負担金を減免することができ、法63条3項3号の健康保険組合が開設する病院等については、規約で定めることにより一部負担金を徴収できることになっている。
なお、保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金を減額、支払の免除等の措置を採ることができることになっている。(法75条の2第1項)

(E)正解
法70条2項、法72条2項
保険医療機関又は保険薬局が健康保険法以外の医療保険各法の療養の給付等を担当することに対応して、保険医療機関で診療に従事する保険医又は保険薬局で調剤に従事する保険薬剤師も、健康保険法以外の医療保険各法又は老人保健法による診療又は調剤に従事することが規定されている。

  

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