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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成14年健保-第7問(被保険者資格喪失後の保険給付)
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■平成14年健保-第7問(被保険者資格喪失後の保険給付)

被保険者資格喪失後の保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)被扶養者が療養を受けている間に、その被保険者であった者が死亡した場合、療養の開始後5年間は給付が行われる。(参考問題)

(B)健康保険の被保険者資格を喪失した前日まで療養の給付と特定療養費の支給を受けていた者が、国民健康保険に加入した場合、療養の給付は健康保険からの継続給付となるが、特定療養費については国民健康保険から給付される。(参考問題)

(C)被保険者の資格喪失後に傷病手当金を受けるには、資格を喪失した日の前日まで継続して6ヶ月以上被保険者の資格を有していたことが必要である。

(D)資格喪失時に療養の給付を受けていた者が、資格喪失後に初めて労務不能の状態になったときは、傷病手当金が支給されない。(一部改正)

(E)被保険者の資格を喪失した日の前日まで継続して1年以上任意包括被保険者であった者が、任意包括脱退により被保険者資格を喪失した場合は、継続療養による給付を受けることができない。(参考問題)



■解説

(A)誤りだった
健康保険の給付は、被扶養者に対する給付であっても、被保険者に対して支給されるものであるため、被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合は、受給権の主体が存在しないことになるので、被扶養者に対する保険給付は打ち切られることになる。(昭和31年12月24日保文発第11285号)
※法改正により、資格喪失後の継続療養は廃止されたので参考問題とする。

(B)誤りだった
被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者については、特定療養費についても初診の日から5年間を限度として資格喪失後の継続療養を受けることができた。(旧法55条)
資格喪失後の継続療養は廃止されているため、現行法では、資格喪失後に国民健康保険の被保険者となった場合は、国民健康保険から療養の給付及び特定療養費(保険外併用療養費)の支給を受けることになる。
※法改正により、資格喪失後の継続療養は廃止されたので参考問題とする。

(C)誤り
法104条
資格喪失後の傷病手当金を受けるためには、被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であることが要件となる。
よって、問題文の場合は「6ヶ月以上」となっているので誤りである。

(D)正解
法104条
資格喪失後の傷病手当金を受給するためには、資格喪失の際に現に傷病手当金の支給を受けているか、受給権はあるが、事業主から報酬を受けているために支給を停止されている状態である必要がある。
問題文のように「資格喪失後に初めて労務不能になった場合」は、資格喪失後の傷病手当金は支給されない。
(参考)
資格喪失の際に支給を受けているものとされる場合
1.現に傷病手当金の支給を受けている者は勿論その受給権者であっても、法108条(報酬等との調整)の規定により一時給付の停止をされている者も含まれる。なぜなら、法108条において傷病手当金を支給しないと規定しているのは、被保険者の給付受給権の消滅を意味するのではなく、その停止を意味するにすぎないから、その者が資格喪失し、事業主より報酬を受けなくなれば、法104条(傷病手当金の継続給付)により当然にその日より傷病手当金は支給すべきものと思料される。(昭和27年6月12日保文発第3367号)
2.退職時疾病にかかっていても、会社に出勤して労務に服していれば、資格喪失後の傷病手当金の受給はできない。(昭和31年2月29日保文発第1590号)

(E)誤りだった
任意脱退した被保険者は任意継続被保険者になることはできない(法3条4項)が、要件を満たせば資格喪失後の継続療養を受けることは可能であった。(旧法55条)
※法改正により、資格喪失後の継続療養は廃止されたので参考問題とする。

  

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