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■平成17年健保-第1問(健康保険組合)

健康保険組合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)健康保険組合の理事長は、組合会が成立しないとき、組合会の議決を経なければならない事項で緊急に行う必要があるものを処分することができるが、その場合には、次の組合会においてこれを報告し、その承認を求めなければならない。

(B)健康保険組合は、合併しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

(C)財政が窮迫状態にあるため、厚生労働大臣の指定を受けた健康保険組合は、指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする3ヵ年間の財政の健全化に関する計画を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。

(D)健康保険組合は、毎年度末日において、少なくとも当該年度及びその直前の3ヵ年度内において行った保険給付に要した費用の額の1年度当たりの平均額の12分の1に相当する額に達するまで、当該年度の剰余金を準備金として積み立てなければならない。

(E)健康保険組合が組合債の利率を引き下げる場合は、遅滞なくその旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。



■解説

(A)正解
法30条、令7条4項・5項
健康保険組合の理事長は、組合会が成立しないとき、又は理事長において緊急を要すると認めるときは、組合会の議決を経なければならない事項で緊急に行う必要があるものを処分することができる。
そして、理事長が専決処分をした場合は、次の組合会においてこれを報告し、その承認を求めなければならないとされている。
なお、この規定は理事会の横暴を防ぎ、または緊急の場合に機宜を失しないように健康保険組合の事務を行わせるために設けられている。

(B)正解
法23条1項
健康保険組合は、合併しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
なお、合併の議決は、関係各健康保険組合の組合会で行う必要がある。よって、合併すべき一健康保険組合において可決しても、他の健康保険組合で否決されれば合併はできない。
また、健康保険組合の合併の認可の権限は、厚生労働大臣のみが有し、委任は行われておらず、認可があったときは、認可指令の日付の日から健康保険組合は合併する。

(C)正解
法28条1項、令30条1項
財政が窮迫状態にあり厚生労働大臣の指定を受けた健康保険組合(指定健康保険組合)は、財政の健全化に関する計画(健全化計画)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならないとされて(変更の場合も同様)おり、承認を受けた指定健康保険組合は、その承認に係る健全化計画に従い、その事業を行わなければならないとされている。
なお、健全化計画は、厚生労働大臣の指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする3か年間の計画とすることとされている。(法28条2項)

(D)誤り
令46条2項
健康保険組合は、毎年度末日において、少なくとも当該年度及びその直前の2か年度内において行った保険給付に要した費用(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等、老人保健拠出金、日雇拠出金、退職者給付拠出金、介護納付金の納付に要する費用を含む。)の額の一年度当たりの平均額の12分の3に相当する額に達するまで、当該年度の剰余金を準備金として積み立てなければならないとされている。
よって、「当該年度及びその直前の3ヵ年度内」とした問題文は誤りである。
なお、法定限度内の準備金は、保険給付に要する費用(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等、老人保健拠出金、日雇拠出金、退職者給付拠出金、介護納付金の納付に要する費用を含む。)に不足を生じたとき以外は、使用することができない。(令20条)

(E)正解
令22条、則11条
健康保険組合は、組合債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならないとされているが、組合債の金額を引き下げる場合、組合債の利息の定率を引下げる場合は、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出ればよいことになっている。

  

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