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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成17年健保-第4問(保険給付)
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■平成17年健保-第4問(保険給付)

保険給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被扶養者が指定訪問看護を受け、保険者が必要と認めたときは、被保険者に対して家族訪問看護療養費が支給される。

(B)指定訪問看護は、末期の悪性腫瘍など厚生労働大臣が定める疾病等を除き、利用者1人につき週2日を限度としている。

(C)あんま、はり、きゅうに係る健康保険の初回の療養費支給申請については、緊急その他やむを得ない場合を除いては、医師の同意書または診断書を添付する必要がある。

(D)高額療養費の支給回数は、健康保険組合の被保険者から全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に変わった場合には通算されない。(一部改正)

(E)入院時食事療養費の標準負担額は、1食について260円であるが、市町村民税の非課税者は、1食につき210円(入院日数が90日を超える者は160円)に減額される。(一部改正)



■解説

(A)正解
法111条1項
被保険者の被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、被保険者に対し、その指定訪問看護に要した費用について、家族訪問看護療養費が支給されることになる。
ちなみに被扶養者に対する保険給付であっても、支給を受けるのは被保険者なので注意すること。

(B)誤り
法88条1項、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成18年3月6日厚労省告示第102号)
訪問看護療養費は、1人につき週3日を限度(別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者に対する場合を除く。)として算定することになっている。
ちなみに、別に厚生労働大臣が定める疾病等としては、末期の悪性腫瘍等が定められている。
よって、「利用者1人につき週2日を限度」とした問題文は誤りである。
なお、指定訪問看護の実施時間は、1回の訪問につき、訪問看護基本療養費(T)については、30分から1時間30分程度、訪問看護基本療養費(U)については、1時間から3時間程度を標準とされている。(平成18年3月6日保発0306006号)
また、訪問看護は同時に2箇所以上の訪問看護ステーションから受けることはできないことになっている。(則69条)

(C)正解
法87条1項、昭和25年1月19日保発第4号、昭和42年9月18日保発第32号、昭和61年4月2日保険発第37号
あんま、鍼灸の施術により療養費の請求をなす場合においては、緊急その他真にやむを得ない場合を除いては、すべて医師の同意書を添付する等、医師の同意があったことを確認するに足る証憑を添えることとされている。
なお、医師の同意書は病名、症状(主訴を含む)及び発病年月日の明記された診断書であって療養費払いの施術の対象の適否の判断ができるものに限り、同意書に代えても差し支えないとされている。(脱臼又は骨折の場合は除く)
また、同意書又は診断書に加療期間の記載があるときは、その期間内(3か月を限度)は第2回目以降、同意書又は診断書の添付を省略しても差し支えないことになっている。
ちなみに、初療の日から3か月を経過した時点において、更に施術を受ける場合に必要な医師の同意書については、実際に医師から同意を得ておれば、必ずしも医師の同意書の添付は要しないとされている。(療養費申請書に同意をした医師の住所氏名等を付記する必要がある。)

(D)正解
昭和59年9月29日保険発第74号・庁保険発第18号
転職等により管轄の全国健康保険協会の支部が変わった場合においても、全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者として支給を受けた回数は通算される。
しかし、健康保険組合の被保険者から全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に変わる等、管掌する保険者が変わった場合には、支給回数は通算されないことになっている。

(E)正解
法85条2項、平成18年2月6日厚労告90号
食事療養の標準負担額は、実際に提供された食数に関係なく、1日の費用で設定されていたが、入退院時などは3食すべて提供されない場合があるので、実態に即した費用で適切に評価するため平成18年4月1日より1食260円となっている。
なお、減額対象者は1食210円、減額対象者のうち直近1年間の入院日数が90日を超える場合は1食160円(高齢受給者で被保険者及びすべての被扶養者の所得が一定額未満の場合は1食100円)となっている。

  

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