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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成17年健保-第7問(法令全般関係)
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■平成17年健保-第7問(法令全般関係)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)保険医療機関が不正の行為によって、保険者から療養の給付等に関する費用の支払いを受けたときは、保険者は当該保険医療機関に対して、その支払った額につき返還させるほか、その額に100分の40を乗じた額を支払わせることができる。

(B)保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあっては、その完結の日から5年間となっている。

(C)保険医療機関の指定・指定取消、保険医の登録・登録取消に係る厚生労働大臣の権限、保険医療機関等の指導、質問・検査・報告等に係る厚生労働大臣の権限は、地方厚生局長等に委任されている。(一部改正)

(D)健康保険の保険者には全国健康保険協会と健康保険組合があるが、日雇特例被保険者の保険の保険者は全国健康保険協会のみである。(一部改正)

(E)被保険者数が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しては、健康保険による療養の給付が行われない。



■解説

(A)正解
法58条3項
保険者は、保険医療機関等又は指定訪問看護事業者が、偽りその他不正の行為によって療養の給付等に関する費用の支払を受けたときは、当該保険医療機関等又は指定訪問看護事業者に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができることになっている。

(B)正解
法70条1項、療養担当規則9条
保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならないことになっているが、そのうち患者の診療録については、その完結の日から5年間保存しなければならないとされている。

(C)正解
法205条、則159条
問題文にある厚生労働大臣の権限は、地方厚生局長又は地方厚生支局長に委任されている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法4条、法123条
健康保険(日雇特例被保険者の保険を除く。)の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合であるが、日雇特例被保険者の保険の保険者は、全国健康保険協会のみである。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
平成15年7月1日保発第701002号
健康保険法は、業務外の事由による疾病等に関して保険給付を行うこととされているため、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病は、健康保険の給付対象とならない。
一方、法人の代表者又は業務執行者は、原則として労働基準法上の労働者に該当しないため、労働者災害補償保険法に基づく保険給付も行われない。(特別加入した場合は除く)
よって、法人代表者等が、業務上負傷した場合はどちらかも保険給付を受けることができなくなる。
この法整備の遅れを解消するために当面の間、被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても、健康保険による保険給付の対象とされることになっている。
なお、この場合、傷病手当金は支給されず、また、法人の代表者等が労災保険の特別加入をしている場合は、健康保険からの給付は行われない。

  

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