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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成18年健保-第2問(標準報酬)
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■平成18年健保-第2問(標準報酬)

標準報酬に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)標準報酬月額の定時決定の対象月に一時帰休が行われ、通常の報酬より低額の休業手当が支払われた場合は、その休業手当をもって報酬月額を算定し、その後一時帰休が解消し通常の報酬が支払われるようになったときは随時改定を行う。

(B)標準報酬月額の上限該当者が、3月31日において全被保険者の1.5%を超え、その状態が継続すると認められるときは、厚生労働大臣は社会保障審議会の意見を聴いてその年の9月1日から上限を改定することができる。ただし、改定後の上限該当者数が9月1日現在で全被保険者数の1%未満であってはならない。(一部改正)

(C)第46級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇級し、その算定月額が1,245,000円以上になった場合、2等級以上の差が生じたものとみなして随時改定が行われる。(一部改正)

(D)事業所の業務不振で従業員が解雇される場合に支払われる解雇予告手当も退職一時金も、報酬には含まれない。

(E)報酬の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合、その価額はその地方の時価によって厚生労働大臣が算定するが、その権限は地方厚生局長等に委任されていない。(一部改正)



■解説

(A)正解
法41条、昭和50年3月29日保険発第25号・庁保険発第8号
標準報酬の定時決定の対象月に一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合においては、その休業手当等をもつて報酬月額を算定し、標準報酬を決定することとされている。
ただし、標準報酬の決定の際、既に一時帰休の状況が解消している場合は、当該定時決定を行う年の9月以後において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、標準報酬を決定することとされている。
なお、休業手当等をもって標準報酬の決定を行った後に一時帰休の状況が解消したときは、随時改定の対象となる。
よって、問題文は正解である。

(B)誤り
法40条2項・3項
毎年3月31日における標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の被保険者総数に占める割合が100分の1.5を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、厚生労働大臣は社会保障審議会の意見を聴いて、その年の9月1日から、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができることになっているが、その年の3月31日において、改定後の標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の同日における被保険者総数に占める割合が100分の1を下回ってはならないとされている。
よって、「改定後の上限該当者数が9月1日現在で全被保険者数の1%未満であってはならない」とした問題文は誤りである。

(C)正解
法43条1項、昭和36年1月26日保発第4号、平成19年2月28日保発第0228010号
健康保険第46級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇給したことにより、その算定月額が124万5,000円以上となった場合は、随時改定の対象となる。
よって、問題文は正解である。

(参考)
1等級の変動により随時改定の対象となる場合
1.第46級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇給したことにより、その算定月額が124万5,000円以上となった場合
2.第1級の標準報酬月額にある者の報酬月額(5万3,000円未満である場合に限る。)が昇給したことにより、その算定月額が第2級の標準報酬月額に該当することとなった場合
3.第47級の標準報酬月額にある者の報酬月額(報酬月額が124万5,000円以上である場合に限る。)が降給したことにより、その算定月額が第46級以下の標準報酬月額に該当することとなった場合
4.第2級の標準報酬月額にある者の報酬月額が降級したことにより、その算定月額が5万3,000円未満となった場合

(D)正解
法3条5項、昭和24年6月24日保発第1175号
労働基準法第20条の規定による解雇予告手当又は退職手当は報酬には含まれないことになっている。
よって、問題文は正解である。
なお、毎年創立記念日に1年以上の勤労者に、一定の金額を贈呈し、これを就業規則による退職金に充当しているときであっても、退職金に相当する性質のものであれば報酬には含めないことになっている。(昭和26年11月17日保文発第4995号)

(E)正解
法46条1項、則159条
報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定めることになっているが、この厚生労働大臣の権限は、地方厚生局長等に委任されていない。
よって、問題文は正解となる。
健康保険組合は、通貨以外のもの価額について、規約で別段の定めをすることができるとされている。(法46条2項)

  

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