社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成18年健保-第6問(高額療養費)
■社会保険労務士試験過去問研究室


■平成18年健保-第6問(高額療養費)

高額療養費に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)転職により、健康保険組合の被保険者から政府管掌健康保険の被保険者に変更した場合や、政府管掌健康保険を管轄する社会保険事務所が変更された場合には、高額療養費の算定に当たっての支給回数は通算されない。

(B)70歳以上の者が外来の治療を受けた月の標準報酬月額が55万円以上の場合、高額療養費算定基準額は44,400円である。(一部改正)

(C)70歳未満で市(区)町村民税非課税者で判定基準所得のない被保険者又はその被扶養者に対する高額療養費算定基準額は15,000円である。

(D)療養があった月以前12月以内に、すでに3回以上高額療養費が支給されているときの一般所得者の負担限度額は、83,400円である。(一部改正)

(E)費用が著しく高額な治療として厚生労働大臣が定める特定疾病に係る療養を著しく長期間にわたり継続しなければならない場合、当該療養を同一の月にそれぞれ1つの病院等で受けた者の一部負担金等の限度額が10,000円を超えた場合、それを超える分には高額療養費が支給される。



■解説

(A)誤り
昭和59年9月29日保険発第74号・庁保険発第18号
多数該当の回数通算については次のように取り扱われている。
1.転職等により管轄の社会保険事務所が変わった場合においても、政府管掌健康保険の被保険者として支給を受けた回数は通算される。
2.健康保険組合の被保険者から政府管掌健康保険の被保険者に変わる等、管掌する保険者が変わった場合には、支給回数は通算されない。
3.特定疾病に係る高額療養費については、他の傷病に係る高額療養費と世帯合算された場合を除き支給回数は通算されない。
よって、保険者が変更になった場合は、多数該当の回数は通算されないが、社会保険事務所が変更になった場合は、多数該当の回数は通算されるので、問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法115条、令34条1項、令42条2項
70歳以上の者が外来の治療を受けた月に現役並み所得者(給付率が100分の70)に該当する場合の高額療養費算定基準額は、44,400円となる。(現役並み所得者であっても、特定収入被保険者に係る経過措置に該当する場合は除く)
よって、外来に係る高額療養費算定基準額が44,400円となるのは、原則として標準報酬月額が28万円以上の場合であり、「標準報酬月額が55万円以上の場合」とした問題文は誤りとなる。

(参考)
特定収入被保険者に係る経過措置
標準報酬月額が28万円以上である被保険者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)又はその被保険者の被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)については「現役並み所得者」となる。
しかしながら、被保険者及びその被扶養者(70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する者に限る。)について算定した収入の額が520万円(被保険者のみの場合は383万円)未満である場合は、申請により、一般区分に該当する。
なお、従前の規定では「現役並み所得者」の判定基準が621万円未満(被保険者のみの場合は484万円未満)であり、健康保険法の一部改正によって収入基準が引き下げられたことにより、新たに「現役並み所得者」に該当することとなった者については、平成18年9月から平成20年8月までの経過措置として、収入基準が520万以上621万円未満(被保険者のみの場合は383万円以上484万円未満)である場合は、一般区分の高額療養費算定基準額が適用されることになっている。
健保法施行令附則5条(平成18年7月21日政令第241号)

(C)誤り
法115条、令42条1項3号
70歳未満であり市区町村民税非課税者で判定基準所得のない被保険者又はその被扶養者に対する高額療養費算定基準額は35,400円となっている。
よって、「15,000円」とした問題文は誤りである。
なお、70歳以上であり市区町村民税非課税者で判定基準所得のない被保険者等又はその被扶養者の高額療養費算定基準額は、外来(個人ごと)8,000円、入院及び世帯単位15,000円となっている。

(D)誤り
法115条、令42条1項1号
療養月以前12か月以内にすでに3回以上高額療養費が支給されているときは、高額療養費の多数該当による負担軽減として高額療養費算定基準額が一般所得者の場合44,400円になる。
よって、「83,400円」とした問題文は誤りである。
なお、上位所得者は83,400円、低所得者は24,600円となっている。

(E)正解
法115条、令41条6項、昭和59年9月28日厚生省告示第156号(改正文平成14年9月5日厚生労働省告示第294号)
費用が著しく高額な一定の治療として次の厚生労働大臣が定める治療を著しく長期間にわたり継続しなければならない者についての高額療養費算定基準額は10,000円となっている。
1.人工腎臓を実施している慢性腎不全
2.血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第[因子障害又は第\因子障害
3.抗ウイルス製剤を投与している先天性免疫不全症候群(HIV感染を含み、厚生労働大臣が認める者に限る)
よって、問題文は正解となる。
なお、平成18年10月より人工腎臓を実施している慢性腎不全患者のうち70歳未満の上位所得者(標準報酬月額が53万円以上)である被保険者とその被扶養者(70歳未満であり、その者を扶養する被保険者(70歳未満であるか70歳以上であるかは問わない)の標準報酬月額が53万円以上の場合)については、高額療養費算定基準額は20,000円となっている。
整備令1条(平成18年8月30日政令第286号)



  

→社会保険労務士試験過去問研究室(健康保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved