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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成18年健保-第7問(日雇特例被保険者)
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■平成18年健保-第7問(日雇特例被保険者)

日雇特例被保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときは、直ちに厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出し、その交換を申請しなければならない。(一部改正)

(B)日雇特例被保険者が出産した場合、その出産の日の属する月の前2月間に通算して26日分以上の保険料がその者について納付されているとき、出産育児一時金が支給される。

(C)農業、漁業、商業等他に本業を有する者が臨時に日雇労働者として使用される場合、厚生労働大臣の承認を得て、日雇特例被保険者とならないことができる。(一部改正)

(D)日雇特例被保険者の賞与に関する保険料は、1,000円未満を切り捨て40万円を上限とした額に、平均保険料率と介護保険料率とを合算した率を乗じて得た額を、被保険者と事業主が2分の1ずつ負担する。(一部改正)

(E)日雇特例被保険者の療養の給付期間は、同一の疾病又は負傷に対し、療養の給付等開始日から1年間( ただし、結核性疾病の場合は5年間)である。



■解説

(A)正解
法126条、則116条1項
日雇特例被保険者は、介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときは、直ちに、厚生労働大臣又は指定市町村長に日雇特例被保険者手帳を提出して、その交換を申請しなければならないことになっている。
よって、問題文は正解である。
なお、日雇特例被保険者が介護保険第2号被保険者に該当することとなったときについても同様に交換を申請する必要がある。(則116条3項)

(B)誤り
法137条
日雇特例被保険者が出産した場合において、その出産の日の属する月の前4月間に通算して26日分以上の保険料がその者について納付されているときは、出産育児一時金が支給される。
なお、出産育児一時金(出産手当金も同じ)については、出産直前には就労が困難となる場合を想定して、支給要件が他の給付と比べて緩和されている。
よって、「出産の日の属する月の前2月間に通算して26日分以上」とした問題文は誤りである。
※「前2月間に通算して26日分以上」保険料が納付されていれば、当然に「前4月間に通算して26日分以上」の保険料を納付していることになり、現実的には出産育児一時金は支給されることになるが、この問題は単純に日雇特例被保険者の出産育児一時金の支給要件を聞いたも
のと考え「誤り」とした。(H14-8-Bに同様の問題がある。)

(C)正解
法3条2項、昭和34年7月7日保発第58号
次の各号のいずれかに該当する者として厚生労働大臣の承認を受けたものは、日雇特例被保険者にならないことができる。
1.適用事業所において、引き続く2月間に通算して26日以上使用される見込みのないことが明らかであるとき。
2.任意継続被保険者であるとき。
3.その他特別の理由があるとき。
なお、上記3の「特別な理由」に該当するか否かは、具体的な事例に応じて判断されることになっているが、その基準及び具体的例示が局長通知により、次のように示されている。
1.日雇労働者が、国民健康保険の被保険者であるか、又は国民健康保険の被保険者となることができる者であって、適用事業所において日雇労働者として使用されることを状態としない場合
2.上記1に該当する場合を例示すれば、次のとおりである
(1)農業、漁業、商業等他に本業を有する者が臨時に日雇労働者として使用される場合
(2)昼間学生が夏季休暇期間中等に日雇労働者として使用される場合
よって、問題文は正解となる。

(参考)
その他の基準及び具体的例示(昭和35年8月18日保発第59号)
1.健康保険法、日雇労働者健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、公共企業体職員等共済組合法、私立学校教職員共済組合法又は市長村職員共済組合法の規定による被扶養者が適用事業所において短期間日雇労働者として使用される場合、その就労に基づいて得ることのできる収入の程度からみて、その者が当該被扶養者である地位を失うことがないと認められる場合
2.上記1に該当する場合を例示すれば、次のとおりである
(1)昼間学生が休暇期間中にアルバイトとして日雇労働者に従事する場合
(2)家庭の主婦その他の家事専従者が、余暇を利用して内職に類する日雇労働に従事する場合。ただし、日雇労働に従事することを常態とする場合を除く

(D)正解
法168条1項2号、法169条1項
日雇特例被保険者の賞与に関する保険料は、賞与額(その額に1,000円未満の端数がある場合には切り捨て、その額が40万円を超える場合には、40万円とする。)に平均保険料率と介護保険料率とを合算した率(介護保険第二号被保険者である日雇特例被保険者以外の日雇特例被保険者については、平均保険料率)を乗じて得た額となっている。
そして、算定された保険料額について被保険者と事業主が2分の1ずつ負担することになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、介護保険第2号被保険者である日雇特例被保険者以外の日雇特例被保険者については、一般保険料率のみを乗じて保険料額を算定することになるので、問題文の内容からだと厳密にはグレーゾーンとなる(「介護保険第2号被保険者についての」という注釈がないため)が、過去に同様の出題(H14-8-B)があり「誤り」とされているB肢があるため、本問は「正解」と判断した。

(E)正解
法129条2項2号、昭和59年9月28日厚生省告示第158号
日雇特例被保険者に対する療養の給付の受給資格は、原則として前2か月間で26日以上又は前6か月間で78日以上の保険料を納付していることが要件となる。
しかしながら、日雇労働者の就労特性を考慮して、受給資格を満たさない月においても、日雇特例被保険者として医療給付を受けた疾病又は負傷(その原因となったものを含む)について、医療の給付の受給開始後1年間(結核性疾病については5年間)は、継続して療養の給付等を受けることができることになっている。
よって、問題文は正解である。

  

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