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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成21年健保-第4問(報酬及び標準報酬)
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■平成21年健保-第4問(報酬及び標準報酬)

報酬及び標準報酬に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)事業主は、被保険者が随時改定の要件に該当したときは、速やかに、健康保険被保険者報酬月額変更届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することにより、報酬月額を届け出なければならない。(一部改正)

(B)日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められている者が、被保険者資格を取得した場合には、当該資格を取得した月前3か月間に当該事業所で同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額の平均をもって、その者の標準報酬月額とする。

(C)報酬月額が1,250,000円である者について、固定給が降給し、その報酬が支給された月以後継続した3か月間(各月とも報酬の支払基礎日数が17日以上あるものとする。)に受けた報酬を3で除して得た額が、1,117,000円となり、標準報酬月額等級が第47級から第46級となった場合は、随時改定を行うものとされている。

(D)標準報酬月額は、毎年7月1日現在での定時決定、被保険者資格を取得した際の決定、随時改定、育児休業終了時の改定及び産前産後休業終了時の改定の5つの方法によって定められるが、これらの方法によっては被保険者の報酬月額の算定が困難であるとき(随時改定の場合を除く。)、又は算定されたものが著しく不当であると認めるときは、保険者が算定した額を当該被保険者の報酬月額とする。(一部改正)

(E)退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるものについては、報酬又は賞与に該当しないものとみなされる。



■解説

(A)正解
法43条1項、則26条1項
随時改定の届出は、要件に該当した後、速やかに、健康保険被保険者報酬月額変更届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行うこととされている。
よって、問題文は正解となる。
なお、全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者が同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、健康保険被保険者報酬月額変更届に第3種被保険者に該当することの有無及び厚生年金保険の従前の標準報酬月額を付記しなければならないことになっている。

(B)誤り
法42条1項2号
日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる被保険者が資格を取得した場合には、資格を取得した月前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額を報酬月額として標準報酬月額を決定することとされている。
よって、「当該資格を取得した月前3か月間」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
法43条1項、平成19年3月8日庁保発0308001号
随時改定は、原則として、固定的賃金の変動により変動月から継続した3か月間の報酬(報酬支払基礎日数がいずれの月も17日以上であることを要する。)の総額を3で除して得た額による等級と、現在の等級との間に2等級以上の差が生じた場合に行われることになっているが、次の場合には例外的に1等級の差でも随時改定が行われることとされている。
(1)第46級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇給したことにより、その算定月額が124万5,000円以上となった場合
(2)第1級の標準報酬月額にある者の報酬月額(5万3,000円未満である場合に限る。)が昇給したことにより、その算定月額が第2級の標準報酬月額に該当することとなった場合
(3)第47級の標準報酬月額にある者の報酬月額(報酬月額が124万5,000円以上である場合に限る。)が降給したことにより、その算定月額が第46級以下の標準報酬月額に該当することとなった場合
(4)第2級の標準報酬月額にある者の報酬月額が降級したことにより、その算定月額が5万3,000円未満となった場合
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法41条、法42条、法43条、法43条の2、法43条の3、法44条
標準報酬月額は、定時決定、被保険者の資格を取得した際の決定、随時改定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定によって決定されることになっている。
しかし、定時決定、資格取得時の決定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定を行う場合に法律で定められている方法によっては算定し難いとき、または、法律により定められている方法によって、定時決定、被保険者の資格を取得した際の決定、随時改定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定を行ったとき、その算定した額が著しく不当であるときは保険者等が決定することになっている。(保険者決定)
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法3条5項・6項、平成15年10月1日保保発1001002号・庁保険発1001001号
被保険者の在職時に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、労働の対償としての性格が明確であり、被保険者の通常の生計にあてられる経常的な収入としての意義を有することから、原則として、健康保険法第3条第5項又は第6項に規定する報酬又は賞与に該当することとされている。支給時期が不定期である場合についても賞与として取り扱い、これが年間4回以上支払われているものであれば、報酬として通常の報酬月額に加算して取り扱うこと。
また、退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるものについては、従来どおり、健康保険法第3条第5項又は第6項に規定される報酬又は賞与には該当しないものと取り扱うこととされている。
よって、問題文は誤りとなる。

  

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