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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成24年健保-第1問(健康保険の保険給付)
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■平成24年健保-第1問(健康保険の保険給付)

保険給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。

(B)療養費を受ける権利は、療養に要した費用を支払った日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。

(C)高額な薬剤費等がかかる患者の負担を軽減するため、同一医療機関での同一月の窓口負担が自己負担限度額を超える場合は、患者が高額療養費を事後に申請して受給する手続きに代えて、保険者から医療機関に支給することで、窓口での支払を自己負担限度額までにとどめるという現物給付化の対象となっているのは、入院医療に限られている。

(D)被保険者が死亡した場合、家族療養費はその当日から支給されない。

(E)70歳以上で標準報酬月額が28万円以上の被保険者が、70歳以上の被扶養者の分もあわせて年収が520万円未満の場合、療養の給付に係る一部負担金は申請により2割負担(平成26年3月31日以前に70歳に達している者は1割負担)となる。(一部改正)



■解説

(A)誤り
法105条1項
傷病手当金又は出産手当金の継続給付を受ける者が死亡したとき、その継続給付を受けていた者がその給付を受けなくなった日後3月以内に死亡したとき、又はその他の被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後3月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
よって、「6か月以内に死亡」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法193条1項、昭和31年3月13日保文発1903号
保険給付を受ける権利は2年を経過したときに時効によって消滅することとされている。
療養費についての時効の起算日は、療養に要した費用を支払った日(療養費の請求権が発生し、かつ、これを行使し得るに至った日)の翌日とされている。
よって、「療養に要した費用を支払った日から」、「5年」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法115条、令43条、平成23年10月21日保発1021第2号
高額な薬剤費等がかかる患者の負担を軽減するため、従来の入院療養に加え、外来療養についても、同一医療機関での同一月の窓口負担が自己負担限度額を超える場合は、患者が高額療養費を事後い申請して受給する手続きに代えて、保険者から医療機関に支給することで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめる取扱い(現物給付化)が平成24年4月1日から導入された。
よって、「入院医療に限られている。」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法36条、法110条、昭和27年10月3日保文発第5383号
家族療養費の支給を受けるのは、被保険者であって、被扶養者でない。したがって、被保険者が死亡すれば打ち切られることになる。被保険者が死亡した場合の資格喪失の時期は死亡した日の翌日である。
よって、死亡日当日については家族療養費は支給されることになり「その当日から支給されない」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法74条1項、平成20年12月22日保保発1222003号、平成26年3月20日保発0320第5号
70歳以上の被保険者の標準報酬月額が28万円以上であっても、収入額が一定の基準に満たない場合については、申請することにより2割負担となるが、その収入の基準は、次のとおりとされている。
1.高齢受給者である被扶養者がいる場合は、その被扶養者の収入を含め、520万円
2.高齢受給者である被扶養者がいない場合は、383万円
なお、2割負担とされている高齢受給者については臨時の特例措置として平成26年3月31日以前に70歳に達している場合は1割負担に据え置かれている。
よって、問題文は正解となる。

  

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