社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成24年健保-第10問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成24年健保-第10問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)この法律において報酬とは、臨時に受けるもの等を除き、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるものであり、通勤手当は、自宅と勤務場所との往復にかかる交通費の実費弁償的な手当のため報酬には含まれない。

(B)被保険者の兄弟姉妹は、その被保険者と同一世帯に属していなくても、その被保険者により生計を維持されていれば被扶養者になるが、被保険者の配偶者の兄弟姉妹は、たとえ被保険者により生計維持されていたとしても、その被保険者と同一世帯に属していなければ被扶養者になることができない。

(C)初めて適用事業所となった事業主は、当該事実のあった日から10日以内に新規の適用に関する届書を提出しなければならないが、事業の廃止、休止その他の事情により適用事業所に該当しなくなったとき(任意適用事業所の取消に係る申請の場合を除く。)の届出は、当該事実があった後、速やかに提出すればよい。

(D)埋葬料の支給要件にある「その者により生計維持していた者」とは、被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持していた者に限られず、生計の一部を維持していた者も含まれる。

(E)労働者災害補償保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって、労務不能の状態になった場合には、それぞれが別の保険事故であるため、休業補償給付及び傷病手当金は、それぞれ全額支給される。



■解説

(A)誤り
法3条5項、昭和27年12月4日保文発第7241号
健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでないとされている。
そして、通勤手当は、被保険者の通常の生計費の一部に当てられているのであるから、報酬と解することが妥当であるとされている。
よって、「通勤手当は、自宅と勤務場所との往復にかかる交通費の実費弁償的な手当のため報酬には含まれない。」とした問題文は誤りとなる。

(参考)
(1)通勤手当は、被保険者の通常の生計費の一部に当てられているのであるから、報酬と解することが妥当である。(昭和27年12月4日保文発第7241号)
(2)定期券購入費は報酬中に包含される。(昭和31年10月8日保文発第8022号)
(3)定期券を購入して支給することは、被保険者が事業主から受ける利益の一であり、金銭で支払われるもののほか現物で支払われるものも労働の対償となり得る。通勤費も生計費中の重要な支出の一であり、出張旅費の如き実費弁済的ものと異なる。(昭和32年2月21日保文発第1515号)

(B)誤り
法3条7項
被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、孫及び弟妹については生計維持関係があれば、別居の場合でも被扶養者となることができるが、それ以外の被保険者の三親等内の親族については生計維持関係に加えその被保険者と同一の世帯に属していなければ被扶養者となることができない。
よって、被保険者の兄姉が被扶養者となるためには、生計維持関係に加えて同一世帯に属していることが必要であるため、問題文は誤りとなる。
なお、配偶者の兄弟姉妹については生計維持関係と同一世帯に属していることが要件となるためその部分の問題文の記述は正しい。

(C)誤り
法3条3項、則19条、則20条
初めて適用事業所となった事業所の事業主は、当該事実があった日から5日以内に、所定の事項を記載した届書を厚生労働大臣(初めて適用事業所となったと同時に当該適用事業所を健康保険組合の設立に係る適用事業所としようとするときは、健康保険組合)に提出しなければならない。
また、適用事業所の事業主は、廃止、休止その他の事情により適用事業所に該当しなくなったときは、任意適用事業所の取消に係る申請の場合を除き、当該事実があった日から5日以内に、所定の事項を記載した届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に提出しなければならない。
よって、新規適用事業所の届出の期限を「10日以内」、適用事業所に該当しなくなった場合の届出の期限を「速やかに」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法100条、昭和7年4月25日保規第129号、昭和8年8月7日保発第502号
埋葬料の支給要件にある「その者により生計維持していた者」とは、死亡当時その収入により生計を維持した者をいい、死亡者の収入により生計を維持した事実があれば足りる。民法上の親族又は遺族であることを要せず、かつ、被保険者が世帯主であることも、また被保険者により生計を維持する者が被保険者と同一世帯にあったか否かは関係のないことであり、被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持した者のみに限らず、生計の一部分を維持した者をも含むとされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法108条、昭和33年7月8日保険発第95号
労働者災害補償保険法による休業補償費を受給している健康保険の被保険者が業務外の事由による傷病によって労務不能となった場合には、休業補償費の額が傷病手当金の額に達しないときにおけるその部分にかかるものを除き傷病手当金は支給しないこととされている。
よって、「休業補償給付及び傷病手当金は、それぞれ全額支給される。」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(健康保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved