社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成25年健保-第6問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成25年健保-第6問(法令全般関係)

健康保険法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき指定訪問看護に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得た額(災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金の減免又は徴収猶予の措置がとられるべきときは、当該措置がとられたものとした場合の額)を控除した額である。

(B)被保険者が月の初日以外の日に75歳に達したことにより後期高齢者医療制度の被保険者となり、健康保険の被保険者の資格を喪失した場合、その月の一部負担金等について健康保険と後期高齢者医療制度でそれぞれ高額療養費算定基準が適用されることとなるため、特例により個人単位で両制度のいずれにおいても通常の基準額の2分の1の額を設定することとされている。

(C)育児休業等による保険料の免除の規定について、その終期は当該育児休業等を終了する日の翌日の属する月の前月となっているが、育児休業等の対象となる子が3歳に達する日以後の休業については、労使協定に定められている場合に限り、適用されることとなる。

(D)被保険者(任意継続被保険者又は特例退職被保険者を除く。)は、当該被保険者又はその被扶養者が介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときは、遅滞なく、所定の事項を記載した届書を、事業主を経由して厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならない。ただし、被保険者又はその被扶養者が65歳に達したときは、この限りでない。

(E)被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。(一部改正)



■解説

(A)正解
法88条4項
訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき指定訪問看護に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得た額(一部負担金の額の特例措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとした場合の額)を控除した額とされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法115条、令41条、令42
月の途中(月の初日以外の日)に75歳に到達し後期高齢者医療制度に移行する健康保険の被保険者のその月の高額療養費算定基準額については、特例により通常の額の2分の1に設定(多数該当による軽減措置や総医療費の1%を算出するときの額及び高額長期疾病患者の場合についても2分の1に設定)されており、個人単位で適用されることになっている。またこの特例による高額療養費算定基準額を適用したあとに、なお残る窓口負担額については、通常の高額療養費算定基準額で世帯合算を行うことになっているが、この場合の70歳未満の合算対象基準額は10,500円とされている。
なお、月の途中で被保険者が後期高齢者医療の被保険者になったことに伴い、その被扶養者が国民健康保険などの医療保険に移行した場合についても、その被扶養者はこの特例の対象となる。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法159条、平成17年3月29日保保発329001号・庁保険発329002号、
育児休業等期間中の保険料免除等の取扱いについて、保険料の免除の始期については、育児休業等を開始した日の属する月とされており、保険料の免除の終期については、当該育児休業等を終了する日の翌日の属する月の前月とされている。
なお、当該育児休業等の対象となる子が3歳に達する日以後の休業について労使協定により定められている場合であっても、本制度は3歳未満の子を養育するための育児休業等に限って適用するものとされている。
よって、「3歳に達する日以後の休業については、労使協定に定められている場合に限り、適用される」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法156条、則40条
被保険者は、被保険者又はその被扶養者が介護保険第2号被保険者に該当しなくなったときは、遅滞なく、所定の事項を記載した届書を事業主を経由して厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならない。ただし、被保険者又はその被扶養者が65歳に達したときは、この限りではない。
よって、問題文は正解となる。
なお、被保険者が任意継続被保険者又は特例退職被保険者であるときは、保険者に直接届け出ることとされており、事業主の命により被保険者が外国に勤務することとなったため、いずれの市町村又は特別区の区域内にも住所を有しなくなったときは、当該事業主は、被保険者に代わって届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出ることができることになっている。

(E)正解
法192条
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができないことになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、次に該当する場合には、決定を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
(1)審査請求があった日から2ヶ月を経過しても決定がないとき
(2)処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき
(3)その他決定を経ないことにつき正当な理由があるとき

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(健康保険法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved