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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成27年健保-第3問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成27年健保-第3問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)給与規程が7月10日に改定され、その日以降の賞与の支給回数が年間を通じて4回から3回に変更された適用事業所における被保険者については、翌年の標準報酬月額の定時決定による標準報酬月額が適用されるまでの間において支給された賞与については、標準賞与額の決定は行われない。なお、当該事業所の全ての被保険者について標準報酬月額の随時改定は行われないものとする。

(B)被保険者が病床数200床以上の病院で、他の病院や診療所の文書による紹介なしに初診を受け、保険外併用療養費の選定療養として特別の費用を徴収する場合、当該病院は同時に2以上の傷病について初診を行ったときはそれぞれの傷病について特別の料金を徴収することができる。

(C)健康保険組合が保険料の納付義務者に対して所定の事項を記載した納入告知書で納入の告知をした後、健康保険法第172条の規定により納期日前に保険料のすべてを徴収しようとする場合、当該納期日の変更については、口頭で告知することができる。

(D)被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、原則として、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付は行われない。また、前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合については、原則として、その翌月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。

(E)同一の月に同一の保険医療機関において内科及び歯科をそれぞれ通院で受診したとき、高額療養費の算定上、1つの病院で受けた療養とみなされる。



■解説

(A)正解
昭和53年6月20日保発47号・庁保発21号
毎年7月1日現在における賃金、給料、俸給、手当又は賞与及びこれに準ずべきもので毎月支給されるもの(通常の報酬)以外のもの(賞与)の支給実態が次のいずれかに該当する場合は、当該賞与は報酬に該当することとされている。
(1)賞与の支給が、給与規定、賃金協約等の諸規定によって年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているとき。
(2)賞与の支給が7月1日前の1年間を通じ4回以上行われているとき。
したがって、賞与の支給回数が、当該年の7月2日以降新たに年間を通じて4回以上又は4回未満に変更された場合においても、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月又は9月の随時改定を含む。)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、報酬に係る当該賞与の取扱いは変らないものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
平成18年3月13日保医発0313003号
病院と診療所の機能分担の推進を図る観点から、他の保険医療機関等からの紹介なしに200床以上の病院を受診した患者については、自己の選択に係るものとして、初診料を算定する初診に相当する療養部分についてその費用を患者から徴収することができるが、当該療養の取扱いについては、以下のとおりとされている。なお、病床数の計算の仕方は、外来診療料に係る病床数の計算方法の例によるものであること。
(1)患者の疾病について医学的に初診といわれる診療行為が行われた場合に徴収できるものであり、自ら健康診断を行った患者に診療を開始した場合等には、徴収できない。
(2)同時に2以上の傷病について初診を行った場合においても、1回しか徴収できない。
(3)1傷病の診療継続中に他の傷病が発生して初診を行った場合においても、第1回の初診時にしか徴収できない。
(4)医科・歯科併設の病院においては、お互いに関連のある傷病の場合を除き、医科又は歯科においてそれぞれ別に徴収できる。
(5)上記(1)から(4)までによるほか、初診料の算定の取扱の取扱いに準ずるものとする。
よって、「それぞれの傷病について特別の料金を徴収することができる。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
則137条2項
保険料の納入の告知をした後、保険料の繰上徴収の規定により納期日前に徴収しようとするときは、健康保険組合は、納期日の変更を納付義務者に書面で告知しなければならないことになっている。
よって、「口頭で告知することができる。」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法118条1項、法158条
被保険者又は被保険者であった者が、次のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わないこととされている。また、前月から引き続き被保険者(任意継続被保険者を除く。)である者が次のいずれかに該当するに至った場合はその月以後、被保険者がその資格を取得した月に次のいずれかに該当するに至った場合はその翌月以後、次のいずれかに該当しなくなった月の前月までの期間、保険料を徴収しないこととされている。(次のいずれかに該当するに至った月に該当しなくなったときは除く。)
(1)少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。
(2)刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。
よって、「その翌月以後、拘禁されなくなった月までの期間」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
令43条9項、昭和48年10月17日保険発95号・庁保険発18号
高額療養費の支給の基礎となる一部負担金等の額は、従来どおり、診療報酬明細書又は調剤報酬明細書(以下「レセプト」という。)を単位とするものであり、レセプトの作成については、次のとおりとされている。
1.被保険者又は被扶養者ごと
2.暦月ごと(例えば、3月5日から4月10日まで同一の病院で診療を受けた場合は、3月5日から3月31日までの療養にかかるものと、4月1日から4月10日までの療養にかかるものに区分される。)
3.同一の病院、診療所、薬局その他の者ごと(例えば、同一月に2つの病院にかかった場合は、それぞれ別個に作成される。)なお、同一の病院、診療所であっても、次の場合は、それぞれ別個に作成する。
(1)医科診療と歯科診療
(2)入院による診療と外来による診療
よって、「1つの病院で受けた療養とみなされる。」とした問題文は誤りとなる。

  

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