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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成30年健保-第1問(保険者)
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■平成30年健保-第1問(保険者)

保険者に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

(ア)全国健康保険協会の運営委員会の委員は、9人以内とし、事業主、被保険者及び全国健康保険協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命することとされており、運営委員会は委員の総数の3分の2以上又は事業主、被保険者及び学識経験を有する者である委員の各3分の1以上が出席しなければ、議事を開くことができないとされている。

(イ)健康保険組合でない者が健康保険組合という名称を用いたときは、10万円以下の過料に処する旨の罰則が定められている。

(ウ)全国健康保険協会が業務上の余裕金で国債、地方債を購入し、運用を行うことは一切できないとされている。

(エ)健康保険組合は、分割しようとするときは、当該健康保険組合に係る適用事業所に使用される被保険者の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

(オ)厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、この評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。

(A)(アとイ)
(B)(アとウ)
(C)(イとオ)
(D)(ウとエ)
(E)(エとオ)



■解説

(ア)正解
法7条の18第2項、則2条の4第5項
事業主及び被保険者の意見を反映させ、全国健康保険協会の業務の適正な運営を図るため、全国健康保険協会に運営委員会を置くこととされている。運営委員会の委員は、9人以内とし、事業主、被保険者及び全国健康保険協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命し、委員の任期は、2年とされている。
運営委員会は、委員の総数の3分の2以上又は事業主、被保険者及び学識経験を有する者である委員の各3分の1以上が出席しなければ、議事を開くことができないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(イ)正解
法10条、法220条
健康保険組合は、その名称中に健康保険組合という文字を用いなければならず、健康保険組合でない者は、健康保険組合という名称を用いてはならないこととされている。
この規定に違反して、健康保険組合という名称を用いた者は、10万円以下の過料に処せられる。
よって、問題文は正解となる。
なお、全国健康保険協会でない者、健康保険組合連合会でない者が、全国健康保険協会、健康保険組合連合会という名称を用いた場合も同様に10万円以下の過料に処せられる。

(ウ)誤り
法7条の33、令1条
全国健康保険協会は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならないことになっている。
(1)国債、地方債、政府保証債その他厚生労働大臣の指定する有価証券の取得
(2)銀行その他厚生労働大臣の指定する金融機関への預金
(3)信託業務を営む金融機関への金銭信託
よって、「一切できない」とした問題文は誤りとなる。

(エ)誤り
法24条1項
健康保険組合は、分割しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
よって、「当該健康保険組合に係る適用事業所に使用される被保険者」とした問題文は誤りとなる。
なお、健康保険組合の分割は、設立事業所の一部について行うことはできないことになっている。

(オ)正解
法7条の30
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

※誤っているものの組合せは、(ウ)と(エ)であるため、(D)が正解となる。

  

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