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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年健保-第2問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)保険医療機関として指定を受けた病院であっても、健康保険組合が開設した病院は、診療の対象者をその組合員である被保険者及び被扶養者のみに限定することができる。

(B)高額療養費の算定における世帯合算は、被保険者及びその被扶養者を単位として行われるものであり、夫婦がともに被保険者である場合は、原則としてその夫婦間では行われないが、夫婦がともに70歳以上の被保険者であれば、世帯合算が行われる。

(C)任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者及び特例退職被保険者の資格の喪失の要件に該当した場合は、被保険者が保険者等に資格喪失の届書を提出しなければならず、当該資格喪失の効力は、保険者等の確認によって生ずる。

(D)標準報酬月額が1,330,000円(標準報酬月額等級第49級)である被保険者が、現に使用されている事業所において、固定的賃金の変動により変動月以降継続した3か月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上であるものとする。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が1,415,000円となった場合、随時改定の要件に該当する。

(E)被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合であっても、埋葬料は支給される。



■解説

(A)誤り
昭和32年9月2日保発第123号
保険医療機関として指定をうけた病院が、保険者を2、3に限定しその被保険者及び被扶養者のみを診療することはできない。
よって、問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法115条1項、令41条1項
高額療養費の算定における世帯合算は、被保険者及びその被扶養者を単位として行われる。夫婦がともに被保険者である場合は、世帯合算は行われない。これは、夫婦がともに70歳以上の被保険者であっても同様である。
よって、問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法39条1項、法附則3条6項
被保険者の資格の取得及び喪失は、保険者の確認によって、その効力を生じることになっている。
ただし、任意適用事業所の認可の取消にともない被保険者資格を喪失する場合は、厚生労働大臣の認可を要するので、あらためて確認を行う必要はなく、また、任意継続被保険者の資格の得喪については、事業主との関係がないので、事業主との関係において争いが生ずるのを防止しようとする確認の制度を適用する必要がないので、資格の確認は行われない。なお、特例退職被保険者についても、任意継続被保険者と同様である。
よって、「当該資格喪失の効力は、保険者等の確認によって生ずる。」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
平成28年3月14日保発0314第1号・年管発0314第1号
随時改定は、原則として、固定的賃金の変動により変動月から継続した3か月間の報酬(報酬支払基礎日数がいずれの月も17日以上であることを要する。)の総額を3で除して得た額による等級と、現在の等級との間に2等級以上の差が生じた場合に行われることになっているが、次の場合には例外的に1等級の差でも随時改定が行われることとされている。
(1)第49級の標準報酬月額にある者の報酬月額が昇給したことにより、その算定月額が141万5,000円以上となった場合
(2)第1級の標準報酬月額にある者の報酬月額(5万3,000円未満である場合に限る。)が昇給したことにより、その算定月額が第2級の標準報酬月額に該当することとなった場合
(3)第50級の標準報酬月額にある者の報酬月額(報酬月額が141万5,000円以上である場合に限る。)が降給したことにより、その算定月額が第49級以下の標準報酬月額に該当することとなった場合
(4)第2級の標準報酬月額にある者の報酬月額が降級したことにより、その算定月額が5万3,000円未満となった場合
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法55条1項
被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わないことになっている。
よって、「埋葬料は支給される」とした問題文は誤りとなる。

  

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