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トップページ過去問研究室(健康保険法) 平成30年健保-第3問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年健保-第3問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われない。

(B)高額介護合算療養費は、健康保険法に規定する一部負担金等の額並びに介護保険法に規定する介護サービス利用者負担額及び介護予防サービス利用者負担額の合計額が、介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。高額介護合算療養費は、健康保険法に基づく高額療養費が支給されていることを支給要件の1つとしており、一部負担金等の額は高額療養費の支給額に相当する額を控除して得た額となる。

(C)全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所の事業主は、被保険者に賞与を支払った場合は、支払った日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構に提出しなければならないとされている。

(D)全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者について、標準報酬月額の定時決定に際し、4月、5月、6月のいずれかの1か月において休職し、事業所から低額の休職給を受けた場合、その休職給を受けた月を除いて報酬月額を算定する。

(E)被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主として被保険者により生計を維持されてきたものについて、その配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものが死亡した場合、引き続きその被保険者と同一世帯に属し、主としてその被保険者によって生計を維持される当該父母及び子は被扶養者に認定される。



■解説

(A)正解
法55条3項
被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は、同一の疾病又は負傷について、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは、その限度において、行わないこととされている。
災害救助法では、災害のため医療の途を失った者に対して、公費負担が行われることになっており、災害救助法による公費負担の医療が行われた場合は、その限度において、健康保険の給付は行われない。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
法115条の2第1項
高額介護合算療養費は、計算期間(毎年8月から翌年7月まで)に健康保険の自己負担額(高額療養費が支給される場合はそれを控除した額)と介護保険の利用者負担額(高額介護サービス費又は高額介護予防サービス費が支給される場合はそれらを控除した額)を合計した額が、介護合算算定基準額を超えた場合に、その超えた額(500円を上回る場合に限る。)が、基準日被保険者(計算期間の末日に被保険者である者)に支給されることになっている。
よって、「健康保険法に基づく高額療養費が支給されていることを支給要件の1つとしており」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
法48条、則27条1項
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者の賞与額に関する届出は、賞与を支払った日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構に提出することによって行うものとされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法41条1項、法44条1項、昭和36年1月26日保発4号・昭和37年6月28日保険発71号
標準報酬月額の定時決定に際し、4月、5月、6月のいずれかの1か月において休職し、事業所から低額の休職給を受けた場合、その休職給を受けた月を除いて報酬月額を算定することとされている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法3条7項第4号
健康保険法において「被扶養者」とは、次に掲げる者をいう。(後期高齢者医療の被保険者等である者は除く。)
(1)被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下、同様。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下、同様。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの
(2)被保険者の3親等内の親族で上記(1)に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
(3)被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
(4)上記(3)の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
よって、問題文は正解となる。

  

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