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■平成30年健保-第10問(法令全般関係)

健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者は、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても健康保険による保険給付の対象となる場合があるが、その対象となる業務は、当該法人における従業員(健康保険法第53条の2に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとされている。

(B)被保険者の配偶者の63歳の母が、遺族厚生年金を150万円受給しており、それ以外の収入が一切ない場合、被保険者がその額を超える仕送りをしていれば、被保険者と別居していたとしても被保険者の被扶養者に該当する。

(C)適用事業所に使用されるに至った日とは、事実上の使用関係の発生した日であるが、事業所調査の際に資格取得の届出もれが発見された場合は、調査の日を資格取得日としなければならない。

(D)被扶養者が6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である場合、家族療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)に100分の90を乗じて得た額である。

(E)任意継続被保険者が75歳に達し、後期高齢者医療の被保険者になる要件を満たしたとしても、任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過していない場合は、任意継続被保険者の資格が継続するため、後期高齢者医療の被保険者になることはできない。



■解説

(A)正解
法53条の2、則52条の2
原則として労災保険からの給付が受けられない場合は健康保険の給付を受けられることとされているが、法人の役員の業務上の負傷については、使用者側の責めに帰すべきものであるため、労使折半の健康保険から保険給付を行うことは適当でないと考えられる。
このため、被保険者等が法人の役員である場合に、その法人の役員としての業務に起因する負傷等については、原則として保険給付の対象外とすることとされている。
しかしながら、当該業務が、被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって、当該法人における従業員(法人の役員以外の者)が従事する業務と同一であると認められるものである場合は、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても、健康保険の保険給付の対象(傷病手当金を含む)とされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)誤り
法3条7項
被保険者の配偶者の母は、被保険者の三親等内の親族であるが、被保険者の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、孫及び兄弟姉妹以外のものであるため、被扶養者になるためには、被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持されている必要がある。
よって、問題文の事例の場合は被扶養者に該当しない。

(C)誤り
昭和3年7月3日保発第480号、昭和5年11月6日保規第522号
「使用されるに至った日」とは、事実上の使用関係の発生した日とされており、事業場調査をした場合に、資格取得届洩が発見された場合は、すべて事実の日に遡って資格取得させる取扱いとなっている。
よって、「調査の日を資格取得日」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法110条2項
被扶養者が6歳に達する日以後の最初の3月31日以前である場合、家族療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)につき算定した費用の額(その額が現に当該療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に療養に要した費用の額)に100分の80を乗じて得た額となる。
よって、「100分の90」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法38条6号
任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第4号から第6号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失することになっている。
(1)任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき。
(2)死亡したとき。
(3)保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)。
(4)被保険者となったとき。
(5)船員保険の被保険者となったとき。 
(6)後期高齢者医療の被保険者等となったとき。 
よって、問題文は誤りとなる。

  

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