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トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成16年国年-第1問(年金の併給)
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■平成16年国年-第1問(年金の併給)

年金の併給に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)65歳以上の老齢基礎年金の受給権者は、遺族厚生年金を併給して受給することができる。

(B)65歳以上の旧国民年金法による老齢年金及び通算老齢年金の受給権者は、遺族共済年金を併給して受給することができる。

(C)老齢基礎年金の繰上げ支給を受けると、付加年金も政令で定めた額を減じて繰上げ支給されるが、寡婦年金の受給権は消滅する。

(D)子の死亡による遺族厚生年金の受給権者である母が、65歳となり老齢基礎年金の受給権者となったときは、老齢基礎年金、遺族厚生年金の3分の2及び老齢厚生年金の2分の1を併給して受給することを選択できる。

(E)65歳以上の者は、老齢基礎年金と老齢厚生年金及び退職共済年金を併給して受給することができる。



■解説

(A)正解
法20条1項、法附則9条の2の4
受給権者が65歳以上である場合は、老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給して受給することが可能である。

(B)正解
法附則11条3項(昭和60年5月1日法律第34号)
旧国民年金法の老齢年金及び通算老齢年金の受給権者が65歳以上である場合は、遺族共済年金と併給して受給することが可能である。

(C)正解
法附則9条の2第5項・6項
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得した場合は、寡婦年金の受給権は消滅することになる。
また、老齢基礎年金の繰上げの請求を行った場合には、付加年金についても同様に繰上げが行われ、請求日の属する月の翌月から老齢基礎年金と同じ率で減額されて支給されることになっている。

(参考)
老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合
1.寡婦年金の受給権は消滅する。
2.付加年金を受けることができる場合は、老齢基礎年金と同様の率で減額され支給される。
3.事後重症及び基準障害による障害基礎年金、寡婦年金の規定は適用されない。
4.任意加入被保険者になることができない。

(D)誤り
法20条1項、法附則9条の2の4、厚年法38条の2
子の死亡による遺族厚生年金の受給権者である母が65歳となり老齢基礎年金の受給権者となった場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給され、遺族厚生年金の額がその老齢厚生年金の額を上回るときには、その差額が遺族厚生年金として支給されることになっている。
よって、「老齢基礎年金、遺族厚生年金の3分の2及び老齢厚生年金の2分の1を併給して受給することを選択できる」した問題文は誤りである。
なお、配偶者である65歳以上の遺族の場合は、「老齢基礎年金+遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1」の組合せを選択することも可能であるが、平成19年4月1日より配偶者である65歳以上の遺族の場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金が全額支給され、その老齢厚生年金額が「遺族厚生年金」又は、「遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1」のうち、どちらか大きい方の額より少ない場合は、その差額を「遺族厚生年金」として支給するしくみに改正された。
しかしながら、受給権者が昭和17年4月1日以前生まれであり、平成19年3月31日以前に受給権が発生した遺族厚生年金については、改正前の選択方法で受給することになる。

(E)正解
法20条、法附則9条の2の4
65歳以上の者は、老齢基礎年金と老齢厚生年金及び退職共済年金を併給して受給することが可能である。

(参考)
併給調整一覧表
老齢厚生年金 障害厚生年金 遺族厚生年金
老齢基礎年金 可能 選択 可能(65歳未満は選択)
障害基礎年金 可能(65歳未満は選択) 可能 可能(65歳未満は選択)
遺族基礎年金 選択 選択 可能
※障害基礎年金と老齢厚生年金の組合せを選択した場合に障害基礎年金について子の加算額が加算されていれば、老齢厚生年金の子の加給年金額は支給停止される。

※配偶者である65歳以上の遺族の場合は次の組合せを選択することも可能である。
老齢基礎年金+遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1
なお、平成19年4月1日より配偶者である65歳以上の遺族の場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金が全額支給され、その老齢厚生年金額が「遺族厚生年金」又は、「遺族厚生年金の3分の2+老齢厚生年金の2分の1」のうち、どちらか大きい方の額より少ない場合は、その差額を「遺族厚生年金」として支給するしくみに改正された。
しかしながら、受給権者が昭和17年4月1日以前生まれであり、平成19年3月31日以前に受給権が発生した遺族厚生年金については、改正前の選択方法で受給することになる。

  

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