社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成19年国年-第3問(国民年金の給付)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成19年国年-第3問(国民年金の給付)

国民年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)労働者災害補償保険に加入していない会社において、労働基準法の規定による遺族補償が行われた場合は、労災保険による給付は受けられないので、遺族基礎年金の支給停止は行われない。

(B)妻に支給する遺族基礎年金は、加算事由に該当する子が1人のときは、その子が妻以外の養子となったときに消滅するが、その子が直系血族又は直系姻族の養子になったときは、この限りではない。

(C)65歳未満の繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の受給権を取得した場合には、その翌月から65歳に達するまでの間についても、繰り上げにより減額された老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給することができる。

(D)年金給付の受給権者が死亡した場合で、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるとき、自己の名で、その未支給年金の支給を請求することができる者は、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、当該受給権者の死亡当時その者により生計を維持されていた者に限る。

(E)国民年金基金が支給する年金は、基金への掛金を納付した場合であっても国民年金の保険料を納付しない期間があるときは、その期間分については給付の対象とされず、基金に納付した掛金は還付される。



■解説

(A)誤り
法41条1項
被保険者又は被保険者であった者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、遺族基礎年金の支給が停止される。
よって、「遺族基礎年金の支給停止は行われない」とした問題文は誤りである。
なお、労災保険法の規定による遺族(補償)給付が行われた場合は、遺族基礎年金(遺族厚生年金も同様)が全額支給され、労災保険の遺族(補償)給付が減額調整されることとされている。

(B)誤り
法40条2項
妻の有する遺族基礎年金の受給権は、遺族基礎年金の子の加算の対象となっている子が1人のときはその子が、2人以上であるときはすべての子が、妻以外の者の養子(届出をしていないが事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む)となった場合は消滅することとされている。(子のある妻でなくなるため)
よって、「直系血族又は直系姻族の養子になったときは、受給権は消滅しない。」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法20条1項、法附則9条の2の4
老齢基礎年金は遺族厚生年金と併給することができるが、老齢基礎年金の繰上げ支給を受けた場合には、本来の老齢基礎年金の支給年齢である65歳までは老齢基礎年金と遺族厚生年金のどちらかを選択して受給することとし、65歳以降に限り併給することができることになっている。
よって、「65歳に達するまでの間についても、繰り上げにより減額された老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給することができる」とした問題文は誤りである。

(D)誤り
法19条1項
年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができることになっている。
よって、「生計を維持されていた者」とした問題文は誤りである。

(E)正解
法130条2項・基金令22条
国民年金基金が支給する年金の額の算定の基準は政令で定められ、給付の詳細は、法令に定められた基準に従い、国民年金基金ごとの規約で定められることになっている。
国民年金基金令においては、年金の額は加入員期間の各月の掛金及びその運用収入の額の総額に照らし、財政の均衡を保つことができるよう計算されるものであること等の基準が定められているが、ここでいう加入員期間とは、国民年金本体の保険料納付済期間に限られている。
すなわち、国民年金本体の保険料を納付していない者が、国民年金基金の掛金だけ納付して将来年金を受けることができないようになっている。
よって、問題文は正解となる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(国民年金法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved