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■平成19年国年-第6問(国民年金の給付)

国民年金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)昭和60年改正前の国民年金法による障害年金の受給権者に対して、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じた場合には、併合された障害の程度による障害基礎年金が支給されるが、従前の障害年金の受給権は消滅しない。

(B)学生納付特例の規定により納付することを要しないこととされた保険料より前に納付義務が生じ、法定免除の規定により免除された保険料があるときは、法定免除により免除された保険料について、先に経過した月の分の保険料から追納することができる。

(C)初診日が平成28年4月1日前で、当該初診日において65歳未満の被保険者については、当該初診日の前日において当該初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料未納期間がなければ、障害基礎年金にかかる保険料納付要件を満たすものとされる。

(D)給付を受ける権利は、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合を除き、担保に供することはできない。 また、給付を受ける権利は、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより譲渡する場合を除き、譲り渡すことはできない。

(E)寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、老齢基礎年金の計算方法で算出した額の4分の3に相当する額である。



■解説

(A)正解
法附則26条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
昭和61年4月1日前に受給権が発生していた旧国民年金法、旧厚生年金保険法又は旧共済年金各法による障害年金については、昭和61年4月1日以後に障害基礎年金を受ける権利が生じたときは新旧両年金間で併合認定を行うこととされている。
しかしながら、併合認定前の旧法による年金給付については、他の年金との併給調整関係等において従前どおりの取扱いとされることが有利となる場合も生じ得ることから、その受給権は消滅せず、新年金との併給調整の結果、有利な年金を本人が選択できることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法94条2項
保険料の免除を受けた者が、その保険料免除期間について保険料の追納を行う場合、まず学生納付特例等による保険料免除期間を優先とし、同種の免除期間については先に経過した月分から追納することとされている。
これは、法定免除、申請免除の規定により免除された保険料又は保険料の多段階免除の規定によりその一部につき納付することを要しないものとされた保険料については、追納が行われない場合であっても相当の給付がなされるが、学生納付特例等による保険料免除期間は追納がなされなければ年金額の計算に反映されないためである。
しかしながら、時効の関係で古い時期から優先的に保険料を納めたくても収められないケースがあるため、追納を行う場合に学生納付特例等による保険料免除期間より前の保険料免除期間がある場合については、本人が免除期間を追納するのか、学生納付特例等による保険料免除期間を追納するのか、どちらを優先するのか選択が行えることとされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法30条1項、法附則20条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
障害基礎年金の支給については、被保険者期間中の保険料納付済期間及び保険料免除期間を合算した期間が当該被保険者期間の3分の2以上であることを要件としているが、初診日において65歳未満の被保険者であって平成28年4月1日にある傷病による障害については、その傷病に係る初診日の前日において、当該初診日までの1年間に保険料の滞納がない場合についても、特例的に障害基礎年金を支給することとされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法24条
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
ただし、年金給付を受ける権利を独立行政法人福祉医療機構に担保に供すること、老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押えることは認められている。
しかしながら、譲渡の禁止に例外は設けられていない。
よって、「年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより譲渡する場合を除き、譲り渡すことはできない。」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法50条
寡婦年金の年金額については、第1号被保険者としての保険料納付済期間及び免除期間を基礎として、老齢基礎年金相当額を算出(よって、追納されない限り学生納付特例等による保険料免除期間は含まれない)し、その額の4分の3に相当する額とされている。
よって、問題文は正解となる。

  

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