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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成20年国年-第3問(法令全般関係)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが事実上の婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した60歳以上65歳未満の妻に限り受給権が発生する。

(B)国民年金基金(以下「基金」という。)は、中途脱退者及び解散基金加入員に係る年金及び一時金の支給を共同して行うため、国民年金基金連合会を設立することができるが、中途脱退者とは、基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)であって、当該基金加入期間が20年に満たないものをいう。

(C)平成17年4月から平成27年3月までの期間に限り、30歳未満の第1号被保険者であって、本人及び配偶者の所得が政令で定める額以下であるときは、世帯主の所得に関係なく、保険料の納付を猶予することとされている。

(D)遺族基礎年金の受給権者が死亡した場合には、その者の死亡の当時当該遺族基礎年金の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となっていた被保険者又は被保険者であった者の子も未支給の年金を請求することができる。

(E)被保険者又は受給権者が死亡したときに、当該死亡の届出をしなかった戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、20万円以下の罰金に処せられる。



■解説

(A)誤り
法49条3項
寡婦年金は、夫の死亡時における生計維持関係、10年以上の婚姻関係の継続、妻の年齢が65歳未満であること等が支給要件とされている。
よって、「60歳以上65歳未満の妻に限り」とした問題文は誤りとなる。
なお、寡婦年金の受給権が発生した60歳未満の妻については、実際に支給が開始されるのは妻が60歳に達した日の属する月の翌月からであり、65歳に達した日の属する月まで支給されることになっている。

(B)誤り
法137条の2の5、法137条17、基金令45条
国民年金基金は、中途脱退者及び解散基金加入員に係る年金及び一時金の支給を共同して行うため、国民年金基金連合会を設立することができる。
このうち中途脱退者とは次の要件を満たす者とされている。
(1)国民年金基金の資格を中途で脱退していること
(2)資格喪失時に当該国民年金基金の年金受給権を取得していないこと
(3)当該国民年金基金の加入員期間が15年に満たないこと
よって、「当該基金加入期間が20年に満たないもの」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法附則19条2項(平成16年6月11日法律第104号)
平成16年の法改正前までは、就職が困難であったり、失業中で所得が低い若年者であっても、収入のある親と同居している場合には保険料の納付免除の対象とならないとされていたが、このような若年の者についても、低年金、無年金防止の観点から、実際に負担できることとなった時点で保険料追納を可能とすることが適当であり、同居している世帯主の所得にかかわらず、本人及び配偶者の所得要件で、保険料納付を猶予し追納を可能とする若年者(30歳未満)納付猶予制度が平成17年4月から設けられたが、この措置は平成27年6月までの時限措置とされている。
よって、「平成17年4月から平成27年3月までの期間に限り」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法19条2項
遺族基礎年金の受給権者が死亡した場合において、その者の死亡の当時当該遺族基礎年金の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となっていた被保険者又は被保険者であった者の子も未支給年金を請求することができることになっている。
よって、問題文は正解となる。
なお、これは遺族基礎年金の受給権者である妻が未支給の年金を残して死亡した場合、当該遺族基礎年金の支給要件又は加算の対象となっていた死亡した夫の子供が、受給権者である妻と養子縁組をしていなかった場合には、身分上、受給権者の子とはならないため、未支給年金を請求できなくなることを想定し、これを救済するため、当該子についても受給権者の子とみなすこととしたものである。

(E)誤り
法105条4項、法114条4号
被保険者又は受給権者が死亡したときは、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、死亡した日から14日以内に第3号被保険者以外の被保険者に係るものにあっては市町村長に、第3号被保険者又は受給権者に係るものにあっては厚生労働大臣に届け出なければならないことになっているが、この規定に違反した場合は、10万円以下の過料に処せられることになっている。
よって、「20万円以下の罰金」とした問題文は誤りとなる。

  

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