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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成22年国年-第2問(法令全般関係)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)脱退一時金の支給について、請求の日の属する月の前日までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間を3か月及び保険料4分の3免除期間を4か月有する者であって、法所定の要件を満たすものは、その請求をすることができる。

(B)厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、その信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者及び受給権者に対し、被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。

(C)厚生労働大臣に対し、保険料の納付事務を行う旨の申出をした市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、保険料を滞納している者であって市町村から国民健康保険法第9条第10項の規定により特別の有効期間が定められた国民健康保険の被保険者証の交付を受け、または受けようとしている被保険者の委託を受けて、保険料の納付事務を行うことができる。

(D)老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、当該年金の受給権を取得した日の属する月から当該申出を行った日の属する月までの月を単位とする期間に応じて一定率の加算をした額が支給される。

(E)被保険者の死亡の当時、障害の状態にない遺族基礎年金の受給権者である子が、18歳に達した日以後最初の3月31日が終了するまでに障害等級に該当する障害の状態になった場合、当該障害状態にある間については年齢に関係なく当該遺族基礎年金の受給権は消滅しない。



■解説

(A)誤り
法附則9条の3の2第1項
脱退一時金の支給要件は、(1)請求のときに日本国籍を有していないこと、(2)国民年金第1号被保険者としての被保険者期間が6か月以上あること、(3)老齢基礎年金等の保険料納付要件を満たしていないこと、(4)脱退一時金の支給を請求したこととなっている。
このうち、国民年金第1号被保険者としての被保険者期間が6か月以上あることの要件は、請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数、保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した額が6か月以上あるかどうかで判断される。
問題文の場合、保険料納付済月数3か月と保険料4分の3免除期間4か月なので、被保険者期間は、3か月+1か月(4か月×4分の1)で4か月となり、被保険者期間が6か月以上ないため、他の要件を満たしていたとしても脱退一時金の支給を受けることができず、誤りの肢となる。

(B)誤り
法14条の2
厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとされている。
よって、「被保険者及び受給権者に対し」とした問題文は誤りとなる。

(C)正解
法92条の3
次に掲げる者は、被保険者(第1号に掲げる者にあっては国民年金基金の加入員に、第3号に掲げる者にあっては保険料を滞納している者であって市町村から国民健康保険法の規定により特別の有効期間が定められた国民健康保険の被保険者証の交付を受け、又は受けようとしているものに限る。)の委託を受けて、保険料の納付に関する事務を行うことができることになっている。
(1)国民年金基金又は国民年金基金連合会
(2)納付事務を適正かつ確実に実施することができると認められ、かつ、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するもの
(3)厚生労働大臣に対し、納付事務を行う旨の申出をした市町村
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法28条4項、令4条の5第1項
繰下げによる老齢基礎年金の加算額については、本来の年金額に増減率(0.007に老齢基礎年金の受給権を取得した日の属する月から繰下げ支給の申出をした日の属する月の前月までの月数(当該月数が60を超えるときは60)を乗じて得た率)を乗じて得た額とされている。
よって、「当該申出を行った日の属する月まで」とした問題文は誤りとなる。
なお、昭和16年4月1日以前に生まれた者については、従来の増減率(老齢基礎年金の受給権を取得した日の属する月から繰下げ支給の申出をした日の属する月の前月までの月数に応じて12%から88%を乗じて得た額)が適用されることとされている。

(E)誤り
法40条3項
子の有する遺族基礎年金の受給権については、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに消滅することとされているが、当該子が障害等級に該当する障害の状態にある場合、それ以後についても障害の状態がなくなるか20歳に達するまでは受給権は消滅しないこととされている。
よって、問題文の事例の場合は、20歳に達したときに遺族基礎年金の受給権が消滅することになり、「年齢に関係なく当該遺族基礎年金の受給権は消滅しない」とした問題文は誤りとなる。

  

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