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■平成22年国年-第10問(遺族基礎年金等)

遺族基礎年金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、祖父母または兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。

(B)遺族基礎年金の支給対象となる遺族としての要件の一つである、死亡した被保険者等との間での生計同一の要件については、住所が住民票上同一の場合であっても、住民票上の世帯が別である場合は含まれない。

(C)遺族基礎年金の受給権者である配偶者の所在が1年以上明らかでないときは、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、申請した日の属する月の翌月から、その支給が停止される。(一部改正)

(D)死亡日に被保険者であって、保険料納付要件を満たしていても、被保険者が日本国内に住所を有していなければ、遺族基礎年金は支給されない。

(E)夫の死亡により遺族基礎年金の受給権を有していたことのある妻には、寡婦年金は支給されない。



■解説

(A)誤り
法52条の3第1項
死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとされている。
よって、「孫」の記述がない問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法37条の2、平成6年11月9日庁文発第3235号
生計維持認定対象者に係る生計同一関係の認定にあたっては、次に該当する者は生計を同じくしていた者又は生計を同じくするものに該当するものとされている。

1.生計維持認定対象者が配偶者又は子である場合
@住民票上同一世帯に属しているとき
A住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
B住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
(1)現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(2)単身赴任、就学又は病気療養等のやむを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
(ア)生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(イ)定期的に音信、訪問が行われていること

2.生計維持認定対象者が死亡した者の父母、孫又は祖父母である場合
@住民票上同一世帯に属しているとき
A住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
B住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
(1)現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(2)生活費、療養費等について生計の基盤となる経済的な援助が行われていると認められるとき

よって、「住所が住民票上同一の場合であっても、住民票上の世帯が別である場合は含まれない」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法41条の2第1項
配偶者に対する遺族基礎年金は、その者の所在が1年以上明らかでないときは、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、その支給を停止することとされている。
よって、「申請した日の属する月の翌月から」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法37条
遺族基礎年金の支給要件となる被保険者等の死亡については、被保険者が死亡したとき、被保険者であった者であって60歳以上65歳未満である者が日本国内に住所を有する場合に死亡したとき、又は老齢基礎年金の受給権者、若しくはその受給に必要な加入期間の要件を満たす者であってその受給を開始していない者が死亡したときに支給されることとしている。
よって、国内居住要件を問われるのは、「被保険者であった者であって60歳以上65歳未満である者」であり問題文の記述は誤りとなる。

(E)誤り
法37条、法37条の2、法49条1項
それぞれの支給要件を満たした場合は、遺族基礎年金と寡婦年金の受給権が発生するため、遺族基礎年金を受けてから子が一定年齢に達したこと等により失権したあと、寡婦年金の支給を受けることもできる。なお、遺族基礎年金と寡婦年金の両方を受給できる場合は選択受給することとなる。
よって、問題文は誤りとなる。


※本問については、正しい選択肢を択一すべきところ、該当する選択肢がなかったため、採点に当たっては、全員正解として採点する旨、社会保険労務士試験センターから発表があった。

  

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