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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成23年国年-第2問(法令全般関係)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)健康保険組合を設立する事業主は、その使用する第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者に係る届出の経由に係る事務の全部又は一部を当該健康保険組合に委託することができる。

(B)配偶者に対する遺族基礎年金については、「配偶者」がその権利を取得した当時、遺族の範囲に属し、かつ、その者と生計を同じくしていなかった子が生計を同じくするに至ったときは、その至った日の属する月の翌月から当該年金額が改定される。(一部改正)

(C)厚生年金保険法に規定する脱退一時金の支給を受けることができる者であっても、所定の要件を満たしていれば、国民年金法に規定する脱退一時金の支給を請求することができる。

(D)受給権者は、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならないが、受給権者が正当な理由がなくて届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないとき、厚生労働大臣は年金給付の支払を停止することができる。

(E)65歳以上70歳未満の任意加入被保険者は、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金等の給付に関する規定の適用については、第1号被保険者とみなされる。



■解説

(A)誤り
法12条8項
第2号被保険者を使用する事業主は、その使用する第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者に係る届出の経由に係る事務の一部を当該事業主が設立する健康保険組合に委託することができることになっているが、事務の全部を委託することは認められていない。
よって、「事務の全部又は一部」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法39条1項
配偶者に支給する遺族基礎年金の子の加算額については、配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時に遺族の範囲に属し、かつ、その者と生計を同じくした子について行われるため、配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時に生計を同じくしていなかった子が生計を同じくするようになったとしても遺族基礎年金の額の改定は行われない。
よって、問題文は誤りとなる。
なお、配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時に遺族の範囲に属し、かつ、その者と生計を同じくした子とみなし、その生まれた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額が改定されることになっている。(法39条2項)

(C)正解
法附則9条の3の2第1項、厚年法附則29条1項
国民年金法の脱退一時金の支給要件は、(1)請求のときに日本国籍を有していないこと、(2)国民年金の第1号被保険者としての被保険者期間が6か月以上であること、(3)老齢基礎年金等の保険料納付要件を満たしていないこと、(4)脱退一時金の請求をしたこととされている。
一方、厚生年金法の脱退一時金の支給要件は、(1)請求のときに日本国籍を有していないこと、(2)厚生年金保険の被保険者期間が6か月以上であること、(3)老齢厚生年金等の保険料納付要件を満たしていないこと、(4)脱退一時金の請求をしたこととされている。
よって、それぞれの支給要件を満たした場合は、双方の請求が可能であるため、問題文は正解となる。

(D)誤り
法73条、法105条3項
受給権者は、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならないことになっているが、受給権者が、正当な理由がなくて、その届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができることになっている。
よって、「年金給付の支払を停止することができる。」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法附則11条10項(平成6年11月9日法律第95号)、法附則23条10項(平成16年6月11日法律第104号)
特例による任意加入被保険者は、死亡一時金及び脱退一時金の規定等について第1号被保険者として扱われることになっているが、寡婦年金の規定については第1号被保険者とはみなされない。
よって、問題文は誤りとなる。

  

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