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■平成23年国年-第5問(障害基礎年金)

障害基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)63歳のときに障害等級2級に該当する障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得した者について、66歳のときにその障害の程度が増進した場合であっても、その者は障害基礎年金の額の改定を請求することはできない。

(B)障害基礎年金に係る子の加算は、受給権者が当該受給権を取得した時点において、その者によって生計を維持する18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にあるか、20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子がなければ、行われない。

(C)障害基礎年金は、受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなって2年を経過したときは、その支給が停止される。

(D)障害基礎年金の受給権を有していた者が、平成6年11月9日前に厚生年金保険法の障害等級に不該当のまま3年を経過して受給権を喪失していた場合、同一の傷病により、同日から65歳に達する日の前日までの間に1級又は2級の障害の状態になったときは、65歳に達する日の前日までの間に障害基礎年金の支給を請求することができる。

(E)障害基礎年金の受給権者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりどちらか一方の年金を支給し、他方の年金の受給権は消滅する。



■解説

(A)誤り
法34条2項
障害基礎年金の受給権者は、厚生労働大臣に対し、障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定を請求することができる。
よって、「障害基礎年金の額の改定を請求することはできない。」とした問題文は誤りとなる。
なお、この改定の請求は、障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、障害基礎年金の受給権を取得した日又は厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができないことになっている。(法34条3項)

(B)誤り
法33条の2
障害基礎年金の受給権者に子がある場合は、その子の数に応じて加算が行われる。
子の加算は、障害基礎年金の受給権発生時から引き続き受給権者によって生計を維持している子に限って行われていたが、法改正により、受給権発生日の翌日以後に生計を維持する子を有するに至った場合でも加算が行われることとなった。(子を有するに至った日の属する月の翌月から障害基礎年金の額が改定される。)
なお、その加算の対象となるのは、18歳の誕生日の属する年度の年度末までの間にある子(障害の状態にある子にあっては20歳未満)とされている。
よって、「受給権者が当該受給権を取得した時点において」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法36条2項
障害基礎年金は、受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間、その支給を停止することとされている。
よって、「2年を経過したとき」とした問題文は誤りとなる。
なお、障害の状態が軽快し、支給停止されている障害基礎年金の受給権者に、その他の障害が発生し、その他の障害の障害認定日以後65歳に達するまでに、前後の障害を併合した障害の程度が障害等級の1級又は2級に該当するときは、支給停止が解除することとされている。

(D)正解
法附則4条(平成6年11月9日法律第95号)
平成6年改正により、障害基礎年金の受給権者が障害等級に該当しなくなった場合、その後3年間経過すると受給権が消滅するという取扱いを改善して65歳までの間は支給停止することとされたことに鑑み、平成6改正法の施行日(平成6年11月9日)前に既に障害等級不該当3年経過を理由に障害基礎年金の受給権が消滅した者のうち、同一の傷病によって現在の障害等級1級又は2級に当該する状態にある者又は65歳に達する日の前日までの間に障害等級に該当する状態に至った者は、障害基礎年金の支給を請求することができることとされた。
なお、この場合の障害基礎年金の支給は請求があった月の翌月からとなる。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法20条1項
障害基礎年金の受給権者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりどちらか一方の年金が支給され、他方の年金は支給停止されることとされている。
よって、「他方の年金の受給権は消滅する。」とした問題文は誤りとなる。
この支給停止に際しては、その年金がこれまで支給されていたものであるか又は新たに受給権が生じたものであるかにかかわらず、2つ以上の年金が支給されることになったときに、いったんすべての年金を同時に支給停止することとされている。この場合、受給権者は自分の希望する年金について支給停止の解除を申請することになるが、既に支給されている年金給付がある場合には、特段の申請がない限り、その年金を引き続き支給することとしている。なお、この申請及び支給の開始については、将来に向かって撤回をすることにより、事実上の選択替えを行うことができることとしている。

  

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