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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成25年国年-第3問(給付の通則等)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)65歳以上の者に支給される障害基礎年金と老齢厚生年金は併給されるが、65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、併給の調整によりどちらか一方の年金給付は支給停止される。

(B)併給の調整により支給を停止された年金給付について、いわゆる選択替えをすることができるのは、毎年、厚生労働大臣が受給権者に係る現況の確認を行う際に限られる。

(C)68歳に達する年度前にある受給権者についての改定率の改定は、原則として、名目手取り賃金変動率を基準として毎年度行われるが、調整期間中においては、この改定は行われず、改定率は据え置かれる。

(D)第1号被保険者は、国民年金基金に対し加入員となる申出をした日に当該加入員の資格を取得し、加入員資格の喪失の申出が受理された日にその加入員の資格を喪失する。

(E)第2号被保険者のうち、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者については、国民年金原簿への記録管理は行われていない。(一部改正)



■解説

(A)誤り
法20条1項、法附則9条の2の4
障害基礎年金については、平成16年改正により、障害を持ちながら働いたことが評価される仕組みとするために、老齢厚生年金や遺族厚生年金との併給が認められたところであるが、これについては65歳以降について併給が可能となっている。
また、老齢基礎年金については、遺族厚生年金及び遺族共済年金と併給することができるが、繰上げ支給を受けた場合には、本来の老齢基礎年金の支給開始年齢である65歳までは老齢基礎年金と遺族厚生年金及び遺族共済年金を一年金選択制とし、65歳以降に限り併給することが認められている。
よって、「併給の調整によりどちらか一方の年金給付は支給停止」とした問題文は誤りとなる。

(B)誤り
法20条4項
併給の調整による年金の支給停止の解除申請及び支給の開始については、将来に向かって撤回することにより、事実上の選択替えを行うことができることとされている。
よって、「毎年、厚生労働大臣が受給権者に係る現況の確認を行う際に限られる。」とした問題文は誤りとなる。

(C)誤り
法27条の4第1項
新規裁定者(68歳未満の者)の毎年度の改定率の改定は原則として、名目手取り賃金変動率を基準として改定されることになっているが、調整期間における改定率の改定については原則として、名目手取り賃金変動率に、調整率に当該年度の前年度の特別調整率を乗じて得た率を乗じて得た率を基準として改定されることになっている。
よって、「調整期間中においては、この改定は行われず、改定率は据え置かれる。」とした問題文は誤りとなる。

(D)誤り
法127条
国民年金基金に加入するためには、自分が加入員になりうる地域型又は職能型の基金に加入を申し出ることが必要であり、この申出をした場合には、申出をした日に加入員の資格を取得する。ただし、すでに基金の加入員となっている者はさらに他の基金に加入することはできない。
一方、国民年金基金は国民年金の付加年金を代行する公的年金であり、また、自営業者の上乗せ年金としてその老後の所得保障を目的とした制度であることから、この点の着目した税制上の優遇措置も講じられている。したがって、この制度目的が損なわれることがないよう、私的な個人年金や貯蓄などと異なり、任意の脱退は認められず、資格喪失事由に該当した場合にのみ自動的に基金から脱退することとされている。
よって、「加入員資格の喪失の申出が受理された日にその加入員の資格を喪失する。」とした問題文は誤りとなる。

(E)正解
法14条、則15条
第2号被保険者のうち、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者については、国民年金原簿への記録管理は行わないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

  

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