社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成26年国年-第6問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成26年国年-第6問(法令全般関係)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金を併給するときには、付加年金は支給停止される。

(B)夫のみに所得がある夫婦(夫42歳、妻38歳であり、ともに第1号被保険者)と3人の子(13歳、10歳、5歳)の5人世帯において、夫の前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については前々年の所得とする。)が197万円以下であれば、申請により当該夫婦の保険料は全額免除される。なお、法定免除の事由には該当しないものとする。

(C)第3号被保険者としての被保険者期間の特例により時効消滅不整合期間となった期間が保険料納付済期間であるものとして老齢基礎年金を受給する特定受給者に支給する平成30年4月以後の月分の老齢基礎年金の額については、訂正後年金額が訂正前年金額に100分の70を乗じて得た額である減額下限額に満たないときは、減額下限額に相当する額とする。

(D)保険料の追納を行い、保険料が納付されたものとみなされた月についても、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付することができる。

(E)国民年金法の規定による徴収金の先取特権の順位は、厚生年金保険法の規定による徴収金とは異なり、国税及び地方税と同順位である。



■解説

(A)誤り
法20条1項、法附則9条の2の4
65歳以上の老齢基礎年金については、遺族厚生年金及び遺族共済年金と併給することができるため、付加年金も支給される。
よって、「付加年金は支給停止される。」とした問題文は誤りとなる。
なお、繰上げ支給を受けた場合には、本来の老齢基礎年金の支給開始年齢である65歳までは老齢基礎年金と遺族厚生年金及び遺族共済年金を一年金選択とし、65歳以降に限り併給することができる。

(B)正解
法90条の2、令6条の7
第1号被保険者の前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については前々年の所得とする。)が、扶養親族等の数に1を加えた数を35万円に乗じて得た額に22万円を加算した額以下であれば保険料の全額免除の対象となる。
問題文の事例の場合、5人(扶養親族等の数に1を加えた数)×35万円+22万円で197万円となるため、その額以下なら保険料全額免除の対象になる。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法附則9条の4の5
平成25年7月1日において時効消滅不整合期間となった期間が第3号被保険者期間であるものとして老齢基礎年金等を受給している者(特定受給者)については、特定保険料納付期限日(平成30年3月31日)の属する月までの間、当該時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなすこととされている。(不整合記録の訂正がなされる前と同等の年金額が支給される。)
そして、特定受給者に支給する特定保険料納付期限日の属する月の翌月以降(平成30年4月以降)の月分の老齢基礎年金については、特定保険料を納付した期間に応じて年金額が訂正されることになっているが、訂正後年金額が、時効消滅不整合期間となった期間を保険料納付済期間とみなして計算した年金額に100分の90を乗じて得た額である減額下限額に満たないときは、減額下限額に相当する額が支給される。
よって、「訂正後年金額が訂正前年金額に100分の70を乗じて得た額である減額下限額」とした問題文は誤りとなる。
なお、平成30年4月以降の特定受給者に支給する老齢基礎年金の額は、特例として、従前の年金額の9割が保障されるため、特例追納した後の訂正後の年金額が減額下限額に満たないときは、特例追納しても年金額に反映しないこともありえる。

(D)誤り
法87条の2、法94条1項
第1号被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月について付加保険料を納めることができることになっており、付加保険料を追納することは認められていない。
よって、「付加保険料を納付することができる。」とした問題文は誤りとなる。

(E)誤り
法98条
保険料その他国民年金法の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとされている。
よって、「国税及び地方税と同順位である。」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(国民年金法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved