社会保険労務士試験に楽に合格する方法論を研究するサイト
社会保険労務士試験情報局
トップページ過去問研究室(国民年金法) 平成28年国年-第9問(老齢基礎年金の受給資格期間)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成28年国年-第9問(老齢基礎年金の受給資格期間)

老齢基礎年金の受給資格期間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問において記載のない20歳から60歳までの期間は、全て国民年金の第1号被保険者期間であり、かつ、保険料が未納であったものとし、他の公的年金加入期間及び合算対象期間はないものとする。また、本問における厚生年金保険の被保険者は、厚生年金保険法に規定する第
1号厚生年金被保険者(坑内員又は船員ではない。)とする。


(A)昭和25年4月2日生まれの男性が、20歳から23歳までの3年間厚生年金保険の被保険者であった。その後、40歳から55歳までの15年間再び厚生年金保険の被保険者であった。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。(参考問題)

(B)昭和30年4月2日生まれの男性が、18歳から20歳までの2年間厚生年金保険の被保険者であった。その後、36歳から60歳まで国民年金の第1号被保険者であったが、このうち36歳から55歳までの19年間は、保険料全額免除期間とされた。55歳から60歳までの5年間は、保険料を納付した。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。

(C)昭和28年4月2日生まれの男性が、24歳から27歳までの3年間共済組合の組合員であった。その後、40歳から60歳までの20年間厚生年金保険の被保険者であった。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。(参考問題)

(D)昭和27年4月1日生まれの女性が、20歳から27歳までの7年間国民年金の第1号被保険者として保険料を納付した。その後35歳から50歳までの15年間厚生年金保険の被保険者であった。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。(参考問題)

(E)昭和31年4月2日生まれの女性が、22歳から35歳までの13年間厚生年金保険の被保険者であった。その後、結婚し、35歳から60歳までの25年間厚生年金保険の被保険者である夫の被扶養配偶者となっていたが、この間、特段の理由のないまま第3号被保険者の資格取得の届出をしなかった。60歳に達した日に当該被扶養配偶者となっていた期間について、第3号被保険者の資格取得に係る届出及び第3号被保険者の届出の特例に係る届出(国民年金法施行規則第6条の4に規定する届出をいう。)を提出した。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。



■解説

(A)誤りだった
法附則12条1項2号・4号(昭和60年5月1日法律第34号)、附則別表第2(昭和60年5月1日法律第34号)、附則別表第3(昭和60年5月1日法律第34号)
厚生年金保険の被保険者期間及び共済組合の組合員期間を有する者についての経過的特例として、昭和27年4月1日以前に生まれた者については、この期間が20年あれば、老齢基礎年金が支給されることとされているが、問題文の事例の場合は、厚生年金保険の被保険者期間が18年間であるため要件を満たしていない。
また、厚生年金保険の中高齢者の特例として、40歳(女子は35歳)以後の厚生年金保険の被保険者期間が、昭和22年4月1日以前に生まれた者については、15年、以下昭和26年4月1日までに生まれた者については、生年月日に応じて16年から19年までの期間を有するときに老齢基礎年金が支給されることになっているが、昭和25年4月2日から昭和26年4月1日までに生まれた者については19年とされているため、問題文の事例の場合は、40歳以後の厚生年金保険の被保険者期間が15年間しかなく、こちらの要件も満たしていないため、誤りの肢であった。
しかしながら、法改正により、平成29年8月1日以降は、老齢基礎年金の受給資格期間が10年に短縮されたため、問題文の事例の場合、受給資格期間を満たすことになる。
よって、参考問題とする。

(B)正解
法26条、法附則9条1項、法附則8条4項(昭和60年5月1日法律第34号)
厚生年金保険の被保険者期間のうち20歳未満のもの及び60歳以後のものについては合算対象期間として取り扱われることとされている。
問題文の事例の場合は、保険料全額免除期間19年間、保険料納付済期間5年間、合算対象期間2年間で26年間となり老齢基礎年金の受給資格期間(10年間)を満たしている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤りだった
法附則12条1項2号(昭和60年5月1日法律第34号)、附則別表第2(昭和60年5月1日法律第34号)
厚生年金保険の被保険者期間及び共済組合の組合員期間を有する者についての経過的特例として、昭和27年4月1日以前に生まれた者については、この期間が20年あれば、老齢基礎年金が支給されることとし、以下昭和31年4月1日までの間に生まれた者については、生年月日に応じてこの期間が21年から24年までであれば老齢基礎年金が支給されることになっている。昭和28年4月2日から昭和29年4月1日までに生まれた者については22年とされており、問題文の事例の場合は、共済組合の組合員期間と厚生年金保険の被保険者期間を合算して23年間であるため要件を満たしているため、「老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。」とした問題文は誤りの肢だった。
しかしながら、法改正により、平成29年8月1日以降は、老齢基礎年金の受給資格期間が10年に短縮されたため、参考問題とする。

(D)誤りだった
法26条、法附則12条1項2号(昭和60年5月1日法律第34号)、附則別表第2(昭和60年5月1日法律第34号)
厚生年金保険の被保険者期間及び共済組合の組合員期間を有する者についての経過的特例として、昭和27年4月1日以前に生まれた者については、この期間が20年あれば、老齢基礎年金が支給されることとされているが、問題文の事例の場合は、厚生年金保険の被保険者期間が15年間であるため要件を満たしていない。
また、保険料納付済期間と厚生年金保険の被保険者期間を合算した期間は22年間であるため老齢基礎年金の受給資格期間(25年間)を満たしていないため誤りの肢だった。
しかしながら、法改正により、平成29年8月1日以降は、老齢基礎年金の受給資格期間が10年に短縮されたため、問題文の事例の場合、受給資格期間を満たすことになる。
よって、参考問題とする。

(E)誤り
法26条、法附則7条の3第1項、法附則21条1項・2項(平成16年6月11日法律第104号)
やむを得ない事由がなく、種別変更の届出をしなかった場合、当該届出に係る第3号被保険者期間のうち届出の行われた月の前々月から起算して2年間より前の月に係るものは、保険料納付済期間に算入されないため、60歳に達する前の2年間が保険料納付済期間となる。
次に平成17年4月1日前の既に第3号被保険者期間における未納となっている期間については、第3号被保険者の届出の特例に係る届出により保険料納付済期間とする(無制限遡及)特例があるため、平成17年3月以前の14年間については、保険料納付済期間に算入できる。
そして、厚生年金保険の被保険者期間が13年間であるため、これらの期間をすべて合算すると29年以上となり、老齢基礎年金の受給資格期間(10年間)を満たすことになる。
よって、「老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。」とした問題文は誤りとなる。

  

→社会保険労務士試験過去問研究室(国民年金法)に戻る
Copyright (C) 2005 社会保険労務士試験情報局 All Rights Reserved