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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成30年国年-第4問(国民年金の給付等)

国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)について、社会保険審査官に対して審査請求をした場合において、審査請求をした日から2か月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

(B)日本年金機構が滞納処分等を行う場合は、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、日本年金機構が定め、厚生労働大臣の認可を受けた滞納処分等実施規程に従って、徴収職員に行わせなければならない。

(C)65歳に達した日後に老齢基礎年金の受給権を取得した場合には、その受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に当該老齢基礎年金を請求していなかったもの(当該老齢基礎年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者でなく、かつ当該老齢基礎年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となっていないものとする。)であっても、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができない。

(D)老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されない。

(E)20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者に子はおらず、扶養親族等もいない場合、前年の所得が360万4千円を超え462万1千円以下であるときは2分の1相当額が、前年の所得が462万1千円を超えるときは全額が、その年の8月から翌年の7月まで支給停止される。なお、被災により支給停止とならない場合を考慮する必要はない。



■解説

(A)正解
法101条
被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他国民年金法の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
なお、審査請求をした日から2か月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができることとされている。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法109条の6第1項
日本年金機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならないことになっている。
なお、日本年金機構は、滞納処分等実施規程を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならず、これを変更しようとするときも、同様とされている。
よって、問題文は正解となる。

(C)誤り
法附則18条5項(昭和60年5月1日法律第34号)
65歳に達した日後に受給資格期間を満たして老齢基礎年金の受給権を取得した者は、受給権を取得した日から1年を経過する日前に老齢基礎年金の裁定請求を行っていない場合(当該老齢基礎年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者でなく、かつ当該老齢基礎年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者になっていない場合に限る。)は、厚生労働大臣に支給繰下げの申出をすることができることになっている。
よって、「支給繰下げの申出をすることができない。」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法附則14条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
老齢基礎年金の受給権者が老齢厚生年金又は退職共済年金(その額の計算の基礎となる被保険者期間等の月数が240月(中高齢期間短縮特例該当者はその期間)以上であるものに限る。)を併せて受けることができるときは、振替加算は行われないことになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)正解
法36条の3、令5条の4
20歳前障害に係る障害基礎年金の本人の所得制限については、20歳前障害に係る障害基礎年金が本人が全く保険料を拠出していないか、ほとんど拠出していないにもかかわらず支給されるものであり、その支給に要する費用は広く国民が負担している租税ないし他の加入者の保険料により賄われるものであることに鑑み、相当程度の所得のある者には全額の支給を停止していたが、平成6年改正後は、受給権者の前年の所得が政令で定める額を超えるときは、その年の8月から翌年の7月まで所得により年金額の全部又は2分の1に相当する部分の支給を停止する二段階制が採られることになった。
具体的には、受給権者の前年の所得が360万4千円を超え462万1千円以下である場合にその年の8月から翌年の7月まで年金額の2分の1に相当する額が支給停止され、受給権者の前年の所得が462万1千円を超える場合はその年の8月から翌年の7月まで全額支給停止されることになっている。
なお、控除対象配偶者又は扶養親族がある場合はこれらの金額に1人につき38万円(70歳以上の同一生計配偶者・70歳以上の老人扶養親族は48万円、16歳以上19歳未満の控除対象扶養親族及び19歳以上23歳未満の特定扶養親族等は63万円)が加算されることになっている。
よって、問題文は正解となる。

  

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