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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 令和1年厚年-第1問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■令和1年厚年-第1問(法令全般関係)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)昭和36年4月2日以後生まれの男性である第1号厚生年金被保険者(坑内員たる被保険者であった期間及び船員たる被保険者であった期間を有しないものとする。)は特別支給の老齢厚生年金の支給対象にはならないが、所定の要件を満たす特定警察職員等は昭和36年4月2日以後生まれであっても昭和42年4月1日以前生まれであれば、男女を問わず特別支給の老齢厚生年金の支給対象になる。

(B)厚生年金保険法第86条第2項の規定により厚生労働大臣が保険料の滞納者に対して督促をしたときは、保険料額に所定の割合を乗じて計算した延滞金を徴収するが、当該保険料額が1,000円未満の場合には、延滞金を徴収しない。また、当該保険料額に所定の割合を乗じて計算した延滞金100円未満であるときも、延滞金を徴収しない。

(C)老齢厚生年金の額の計算において、受給権者がその権利を取得した月以後における被保険者であった期間は、その計算の基礎としないこととされているが、受給権取得後の受給権者の被保険者であった期間については、被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとする。

(D)老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている場合であっても、1年以上の厚生年金保険の被保険者期間を有していない場合には、特別支給の老齢厚生年金の受給権は生じない。

(E)平成26年4月1日以後に被保険者又は被保険者であった者が死亡し、その者の夫と子に遺族厚生年金の受給権が発生した。当該夫に対する当該遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、当該夫が国民年金法の規定による遺族基礎年金の受給権を有する場合でも、60歳に到達するまでの間、その支給を停止する。



■解説

(A)正解
法附則8条の2
1.坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間とを合算した期間が15年以上である者及び特定警察職員等である者を除く
男子又は女子(第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)は昭和36年4月2日以後生まれの場合、特別支給の老齢厚生年金の支給対象にはならない。

2.坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間とを合算した期間が15年以上である者及び特定警察職員等である者を除く
女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)は昭和41年4月2日以後生まれの場合、特別支給の老齢厚生年金の支給対象にはならない。

3.特定警察職員等である者を除く
坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間とを合算した期間が15年以上である者は昭和41年4月2日以後生まれの場合、特別支給の老齢厚生年金の支給対象にはならない。

4.特定警察職員等である者
昭和42年4月2日以後生まれの場合、特別支給の老齢厚生年金の支給対象にはならない。
よって、問題文は正解となる。

(B)正解
法87条
次のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、延滞金は徴収しないこととされている。
1.保険料額が1,000円未満のとき
2.納期を繰り上げて徴収するとき
3.納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がともに明らかでないため、公示送達の方法によって督促したとき
4.督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき
5.延滞金の金額が100円未満のとき
よって、問題文は正解となる。

(C)正解
法43条
老齢厚生年金の受給権を取得した以後の厚生年金保険の被保険者期間については、当該老齢厚生年金の計算の基礎としないこととされているが、老齢厚生年金の計算の基礎とはしないものとした期間につき、その者が退職し、被保険者の資格を喪失した場合においては、被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月から、年金の額を改定することとしている。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法附則8条
特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある場合に支給されることになっている。
よって、問題文は正解となる。

(E)誤り
法65条の2
夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、その支給を停止することとされているが、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、支給停止されないことになっている。
よって、「60歳に到達するまでの間、その支給を停止する。」とした問題文は誤りとなる。
  

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