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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成13年厚年-第8問(法令全般関係)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成13年厚年-第8問(法令全般関係)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)厚生年金保険における被保険者の資格の取得及び喪失は、適用事業所においては事業主が届け出なければならず、また、社会保険庁長官の確認がなければその効力は生じない。

(B)傷病に係る初診日において厚生年金保険の被保険者であった者が、保険料納付要件を満たし、かつ初診日から起算して5年を経過するまでの間に、傷病は治ってはいないが症状が固定した状態にあり、政令に定める程度の障害の状態にあるとき、障害手当金が支給される。

(C)保険料納付要件に関し、厚生年金保険の被保険者期間は、国民年金における保険料納付済期間とされ、また、国民年金における保険料免除期間は厚生年金保険の被保険者期間中には存在しえない。

(D)障害厚生年金又は遺族厚生年金を受給している者及び昭和13年4月1日以前に生まれた特別支給の老齢厚生年金の受給者は、雇用保険法に規定されている基本手当を受けても調整されない。

(E)60歳代前半の在職者について、老齢厚生年金の受給権者に厚生年金基金が支給する年金給付のうち、代行部分については、老齢厚生年金の3分の2以上が支給停止される場合には、支給を全額停止することができる。



■解説

(A)正解
法18条1項、法27条
適用事業所の事業主、任意単独被保険者について同意をした事業主又は適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入被保険者について同意をした事業主は、厚生労働省令の定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を社会保険庁長官に届け出なければならない。
そして、被保険者の資格の取得及び喪失は、社会保険庁長官の確認によって、その効力を生じることになる。
なお、次に該当する場合は社会保険庁長官の確認は必要ない。
1.任意単独被保険者の資格取得及び任意資格の喪失
2.任意適用事業の適用取消による資格喪失
3.適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者の資格取得及び資格喪失(適用事業所又は船舶に使用されなくなった場合及び適用除外に該当した場合は除く)
4.適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入被保険者の資格取得及び資格喪失
5.第4種被保険者及び船員任意継続被保険者の資格取得及び資格喪失

(B)正解
法55条、昭和61年3月31日庁保発第15号(改正平成14年3月15日庁保発第12号)
障害手当金は、疾病にかかり、又は負傷し、その傷病に係る初診日において被保険者であった者が、当該初診日から起算して5年を経過する日までの間におけるその傷病の治った日において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態にある場合に支給される。
なお。「傷病が治った状態」とは、器質的欠損若しくは変形又は機能障害を残している場合は、医学的に傷病が治ったとき、又は、その症状が安定し、長期にわたってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態で、かつ、残存する症状が自然経過的により到達すると認められる最終の状態(症状が固定)に達したときをいう。

(C)正解
法3条1項1号・2号、国年法5条2項・3項
国民年金法では、保険料納付済期間は、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料に係るもの、第2号被保険者としての被保険者期間及び第3号被保険者としての被保険者期間を合算した期間と定義されている。
また、保険料免除期間とは、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を合算した期間と定義されている。
なお、保険料免除の規定が適用されるのは、第1号被保険者のみであり、厚生年金保険の被保険者期間(第2号被保険者)中に保険料免除期間は存在しない。
よって、問題文は正解となる。

(D)正解
法附則11条の5、法附則25条1項(平成6年11月9日法律第95号)
基本手当との調整は、特別支給の老齢厚生年金(繰上げ支給の老齢厚生年金も含む)の受給権者が平成10年4月1日以後に受給権を取得した場合に限って行われる。
よって、障害厚生年金又は遺族厚生年金を受給している者及び昭和13年4月1日以前に生まれた特別支給の老齢厚生年金の受給者(平成10年4月1日前に60歳に到達している)は基本手当を受けても調整されないので問題文は正解となる。

(E)誤り
法附則13条2項・3項・4項
在職老齢年金の仕組みにより支給停止されている特別支給の老齢厚生年金の受給権者に基金が支給する老齢年金給付のうち代行部分については、原則として支給停止できないが、特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止されている場合に限り代行部分についても支給停止することができることになっている。
よって、「代行部分については、老齢厚生年金の3分の2以上が支給停止される場合には、支給を全額停止することができる」とした問題文は誤りである。

  

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