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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成13年厚年-第9問(特別支給の老齢厚生年金)
■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成13年厚年-第9問(特別支給の老齢厚生年金)

特別支給の老齢厚生年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)厚生年金保険の被保険者期間が44年以上ある者については、60歳以上65歳未満で、かつ被保険者でなければ、生年月日にかかわらず、報酬比例部分と定額部分とを合わせた特別支給の老齢厚生年金が支給される。

(B)老齢基礎年金の繰上げ支給を受けている間は、生年月日にかかわらず、特別支給の老齢厚生年金が支給停止される。

(C)報酬比例部分の年金額の計算に用いる被保険者期間には、生年月日に応じた上限がある。

(D)加給年金額に係る生計維持の認定にあたって厚生労働大臣が定める収入要件は、年収要件は850万円未満、所得要件は年額655万5千円未満とされている。

(E)厚生年金保険の被保険者が雇用保険法による高年齢雇用継続給付を受給している間、在職老齢年金の支給停止に加えて、原則として標準報酬月額の2割に相当する額が支給停止される。



■解説

(A)誤り
法附則8条の2、法附則9条の3、法附則18条1項(平成6年11月9日法律第95号)
報酬比例部分相当の老齢厚生年金の受給権者が、厚生年金保険の被保険者期間が44年以上であり、かつ、被保険者でないという、長期加入者の特例の要件を満たした場合は、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分及び定額分)が支給されることになっている。(坑内員・船員の特例が適用される場合は除く)
よって、報酬比例部分相当の老齢厚生年金の支給開始年齢に達していない場合は、長期加入者の特例の要件に該当したとしても、特別支給の老齢厚生年金は支給されず、「生年月日にかかわらず」とした問題文は誤りである。
また、特別支給の老齢厚生年金は、昭和36年4月1日以前(女子については昭和41年4月1日以前)に生まれ者でなければ支給されないのでその点のおいても誤りとなる。

(B)誤り
法附則24条2項(平成6年11月9日法律第95号)
特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げの対象となる前の世代の者(昭和16年4月1日以前生まれの者)についてのみ、繰上げ支給の老齢基礎年金を受給する間、特別支給の老齢厚生年金は全額支給停止されることになっている。
よって、「生年月日にかかわらず、特別支給の老齢厚生年金が支給停止される」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法附則9条の2第2項、法附則17条・18条(平成6年11月9日法律第95号)
報酬比例部分の年金額の計算に用いる被保険者期間には、生年月日に応じた上限が設けられていない。
なお、年金額の計算に用いる被保険者期間に生年月日に応じた上限があるのは定額部分である。
よって、問題文は誤りとなる。

(D)正解
法44条5項、令3条の5、平成6年11月9日庁保発36号、平成6年11月9日庁文発3235号
加給年金額の生計維持認定対象者に係る収入に関する認定にあたっては、次のいずれかに該当する者は厚生労働大臣の定める金額(年額850万円)以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外の者に該当するとされている。
1.前年の収入(前年の収入が確定しない場合にあっては、前々年の収入)が年額850万円未満であること。
2.前年の所得(前年の所得が確定しない場合にあっては、前々年の所得)が年額655.5万円未満であること。
3.一時的な所得があるときは、これを除いた後、上記1又は2に該当すること。
4.上記に該当しないが、定年退職等の事情により近い将来収入が年額850万円未満又は所得が年額655.5万円未満となると認められること。

(E)誤り
法附則11条の6、法附則26条(平成6年11月9日法律第95号)
特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、厚生年金保険の被保険者である月について、雇用保険法の高年齢雇用継続給付を受けることができるときは、在職老齢年金の支給停止に加えて、さらに、原則として標準報酬月額の100分の6に相当する額が支給停止されることになっている。
よって、「原則として標準報酬月額の2割に相当する額が支給停止される」とした問題文は誤りである。

  

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