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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成14年厚年-第7問(権限の委任等)
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■平成14年厚年-第7問(権限の委任等)

権限の委任等による地方社会保険事務局長及び社会保険事務所長の権限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)地方社会保険事務局長は、報酬の全部又は一部が通貨以外のもので支払われる場合において、その価額を、その地方の時価によって定める。

(B)社会保険事務所長は、昭和16年4月1日以前に生まれた者について、その者の昭和60年改正前の厚生年金保険法による脱退手当金を受ける権利を裁定する。(一部修正)

(C)地方社会保険事務局長は、障害厚生年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、必要と認めるときは、当該障害厚生年金の額を改定する。

(D)社会保険事務所長は、被保険者が資格を取得したときの標準報酬月額の決定、標準報酬月額の定時の決定及び改定を行う。(一部改正)

(E)地方社会保険事務局長が事業主に対して文書等の提出を命じ、又は事業所への立入り検査等を行う場合においては、事業所を管轄する地方社会保険事務局長又は所轄以外の地方社会保険事務局長が行うことができる。



■解説

(A)正解
法25条、令1条1項12号、令1条2項
報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、社会保険庁長官が定めることになっているが、この社会保険庁長官の権限は、地方社会保険事務局長に委任されている。(なお、社会保険事務所長には委任されていないので注意すること)

(B)正解
法附則75条(昭和60年5月1日法律第34号)、令1条1項23号、令1条2項
昭和16年4月1日以前に生まれた者については、旧厚生年金保険法による脱退手当金の支給要件、額及び失権に関する規定は、その者について、なおその効力を有するとされている。
そして、脱退手当金を受ける権利を裁定する権限は社会保険庁長官から地方社会保険事務局長に委任され、さらに社会保険事務所長に委任されている。
なお、脱退手当金以外の保険給付の裁定を行うのは、社会保険庁長官のみであり、委任されていないので注意すること。

(C)誤り
法52条1項、令1条
社会保険庁長官は、障害厚生年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、その程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、その程度に応じて、障害厚生年金の額を改定することができるが、この社会保険庁長官の権限は地方社会保険事務局長に委任されていない。
よって、「地方社会保険事務局長は、障害厚生年金の額を改定する」とした問題文は誤りとなる。

(D)正解
法21条1項、法22条1項、法23条1項、令1条1項6号・7号・8号、令1条2項
社会保険庁長官が行う、標準報酬月額の定時決定、被保険者の資格を取得した際の決定、随時改定の権限は、地方社会保険事務局長に委任され、さらに社会保険事務所長に委任されている。

(E)正解
法100条1項、令1条1項20号、令1条2項、令2条
社会保険庁長官は、被保険者の資格、標準報酬、保険料又は保険給付に関する決定に関し、必要があると認めるときは、事業主に対して、文書その他の物件を提出すべきことを命じ、又は当該職員をして事業所に立ち入って関係者に質問し、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるが、この社会保険庁長官の権限は、地方社会保険事務局長に委任され、さらに社会保険事務所長に委任されている。
しかし、社会保険庁長官及び地方社会保険事務局長が自ら行うことを妨げないとされている。
なお、立入検査等に関する権限については、管轄外の地方社会保険事務局長及び社会保険事務所長であっても行うことができる。

  

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