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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成14年厚年-第8問(厚生年金基金)
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■平成14年厚年-第8問(厚生年金基金)

厚生年金基金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(A)解散した厚生年金基金の残余財産(給付金等積立金の一部を他に移換する場合を除く。)は、解散した日において当該基金が年金たる給付を支給しなければならなかった者に全額分配しなければならず、事業主に引き渡してはならない。

(B)厚生年金基金が支給する年金たる給付であって、老齢厚生年金の受給権者に支給するものの額は、加入員たる被保険者であった期間の標準給与の月額の1000分の5.481(平成15年4月1日前の基金に加入していた期間については1000分の7.125)に相当する額に加入員たる被保険者であった期間に係る被保険者期間の月数を乗じて得た額を超える額でなくてはならない。(一部改正)

(C)厚生年金基金は、基金の加入員が年金たる給付の受給権を取得する前に当該基金を脱退したときは、当該中途脱退者の加入員であった期間に係る老齢厚生年金の給付の現価相当額を企業年金連合会に交付し、将来に向かっての基金の義務を移転することができる。(一部改正)

(D)厚生年金基金が解散する場合において、解散する日における年金給付等積立金の額が政令で定める額を下回るときは、その下回る額を事業主及び加入員の負担において一括して徴収しなければならない。

(E)厚生年金基金が解散した場合には、解散した厚生年金基金の加入員であった者に係る年金たる給付及び一時金たる給付についての支給の義務を負わない。



■解説

(A)正解
法147条4項・5項
解散した基金の残余財産は、規約の定めるところにより、その解散した日において当該基金が年金たる給付の支給に関する義務を負っていた者に分配しなければならない。
なお、残余財産を分配する場合においては、解散基金が年金たる給付の支給に関する義務を負っていた者に、その全額を支払うものとし、当該残余財産を事業主に引き渡してはならないことになっている。

(B)誤り
法132条2項
厚生年金基金が支給する老齢年金給付であって、老齢厚生年金の受給権者に支給するものの額は、加入員たる被保険者であった期間の平均標準報酬額の1000分の5.481(平成15年4月1日前の基金に加入していた期間については標準報酬月額の1000分の7.125)に相当する額に、加入員たる被保険者であった期間に係る被保険者期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないとされている。
なお、平均標準報酬額を算定する際には再評価率を用いない。(スライド分と併せて老齢厚生年金の額に含まれることになっているため)
よって、「標準給与の月額」とした問題文は誤りである。

(C)誤り
法160条1項・3項
厚生年金基金は、加入員が年金たる給付の受給権を取得する前に当該基金を脱退した場合、企業年金連合会に申し出て、中途脱退者の当該基金の加入員であった期間に係る老齢年金給付の支給に関する義務を移転することができる。
そして、義務の移転を行なう場合には、厚生年金基金は、企業年金連合会に対し、当該中途脱退者の加入員であった期間に係る老齢年金給付の現価に相当する金額(現価相当額)を交付しなければならないことになっている。
よって、「老齢厚生年金の給付の現価相当額」とした問題文は誤りである。

(D)誤り
法138条6項
基金が解散する場合において、当該解散する日における年金給付等積立金の額が、政令で定める額を下回るときは、当該基金は、当該下回る額を、設立事業所の事業主から掛金として一括して徴収するものとされている。
よって、「事業主及び加入員の負担において一括して徴収しなければならない」(加入員から徴収することはできない)とした問題文は誤りである。

(E)誤り
法146条
厚生年金基金が解散したときは、当該基金の加入員であった者に係る年金たる給付及び一時金たる給付の支給に関する義務を免れる。
ただし、解散した日までに支給すべきであった年金たる給付若しくは一時金たる給付でまだ支給していないものの支給又は解散した日までに、他の基金等に移換すべきであった年金給付等積立金若しくは脱退一時金相当額でまだ移換していないものの移換に関する義務については免れないことになっている。

  

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