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■社会保険労務士試験過去問研究室




■平成18年厚年-第3問(法令全般関係)

次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)適用事業所に使用される70歳未満の者であっても、その者が私立学校教職員共済制度の加入者であるときは、厚生年金保険の被保険者とはならない。

(B)障害手当金は、年金たる保険給付の受給権者(最後に障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者を除く)には支給しない。

(C)厚生年金保険の被保険者に係る保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき徴収するものとし、その額は、標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ保険料率を乗じて得た額とする。厚生年金基金の加入者である被保険者については、当該保険料率から免除料率を控除して得られた率とする。

(D)老齢厚生年金の受給権者が裁定請求をしないまま死亡した場合において、死亡するまでに受けるべきであった給付の申請を行う者は、死亡した受給権者と生計を同じくしていたことを証する書類及びその他の書類を、その者の死亡時から5年以内に、日本年金機構に提出しなければならない。(一部改正)

(E)大正15年4月1日以前生まれの者及び昭和61年4月1日に60歳未満であっても旧厚生年金保険法の老齢年金、通算老齢年金、特例老齢年金の受給権のある者には、老齢厚生年金を支給しない。



■解説

(A)正解
法9条、法12条1号
適用事業所に使用される70歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者になるが、次に該当する場合には、適用除外となり、被保険者とならないことになっている。
1.国、地方公共団体又は法人に使用される者であって、次に該当するもの
(1)恩給法に規定する公務員及び公務員とみなされる者
(2)共済組合の組合員
(3)私学教職員共済制度の加入者
2.臨時に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)であって、次に該当するもの
(1)日々雇い入れられる者(1月を超え引き続き使用された場合を除く)
(2)2月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超え引き続き使用された場合を除く)
3.所在地が一定しない事業所に使用される者
4.季節的業務に使用される者、(船舶所有者に使用される船員を除く。)ただし、継続して4月を超えて使用されるべき場合は除く
5.臨時的事業の事業所に使用される者、ただし、継続して6月を超えて使用されるべき場合は除く
よって、問題文は正解である。

(B)正解
法56条1号
年金たる保険給付の受給権者(最後に障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)を除く。)には、障害手当金は支給されない。
よって、問題文は正解である。
なお、平成6年改正前は、障害等級に該当することなく3年を経過するまでは障害厚生年金等の受給権者として障害手当金を支給しない取扱いとされていた(よって、障害等級不該当3年を経過すれば受給権者でなくなり、障害手当金を受給できた)が、平成6年の改正により、障害厚生年金等の失権事由が障害等級不該当3年経過から65歳到達に改められて、65歳に達するまでは受給権者とすることとされたことに伴い、障害手当金を支給されない者の範囲を、改正前と同様に障害等級不該当3年を経過するまでと規定したものである。

(C)正解
法81条2項・3項・4項
厚生年金保険の保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものされ、その保険料額は、標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ保険料率を乗じて得た額とされている。
なお、厚生年金基金の加入員である被保険者についての保険料額は、標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ、保険料率から免除保険料率を控除して得た率を乗じて得た額とされている。
よって、問題文は正解となる。

(D)誤り
法37条、法92条1項、則42条
保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができることになっている。
そして、老齢厚生年金の受給権者が裁定請求をしないまま死亡した場合において、死亡するまでに受けるべきであった給付の申請を行う者は、未支給保険給付請求書を提出するとともに、自己の名で裁定請求書を、老齢厚生年金の受給権が発生した時から5年以内に、日本年金機構に提出する必要がある。
よって、受給権者が裁定請求をしないまま死亡した場合の未支給給付の請求手続きにおいて、裁定請求書の提出について記述されていない点、請求期限を「その者の死亡時から5年以内に」とした点から問題文は誤りとなる。
なお、これらの請求書には、死亡した受給権者と生計を同じくしていたことを証する書類及びその他の書類を添付する必要がある。

(E)正解
法附則63条1項(昭和60年5月1日法律第34号)
昭和61年4月1日に60歳以上の者(大正15年4月1日以前に生まれた者)又は60歳未満で昭和61年4月1日前に既に旧厚生年金保険法又は旧共済年金各法による老齢年金又は退職年金等の受給権が生じていた者には、旧厚生年金保険法による老齢年金及び通算老齢年金が支給されることとされた。
よって、問題文は正解である。
なお、国民年金についても老齢基礎年金が支給されず、旧国民年金法の規定が適用されることになっている。(法附則31条1項(昭和60年5月1日法律第34号))

  

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