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トップページ過去問研究室(厚生年金保険法) 平成18年厚年-第6問(厚生年金基金等)
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■平成18年厚年-第6問(厚生年金基金等)

厚生年金基金等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(A)厚生年金基金の設立時において、当該基金の加入員に係る当該基金設立前の期間のうち、当該基金が設立されていればその者が加入員となったと認められる期間その他これに準ずる期間についても、厚生労働省令の定めに基づいて、老齢年金給付の額の算定の基礎として認めることができる。

(B)厚生年金基金の設立時に作成される規約及びその後変更される規約は、政令で定められた規約の変更に関するものを除き、厚生労働大臣の認可を受けなければその効力を生じない。

(C)標準給与の基礎となる給与の範囲は、厚生年金保険法に規定する報酬及び賞与の範囲に一致するものでなければならない。ただし、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

(D)基金は、規約で定めるところにより、年金給付等積立金の一部を、設立事業所の事業主が実施する企業型年金に移管することができるが、この規約の作成にあたって、当該企業型年金を実施する設立事業主の全部及び移管加入員となるべき者の2分の1以上の同意を得なければならない。

(E)設立事業所の事業主が納付する掛け金は、基金の規約と同意を得て、厚生労働省令の定める範囲内において、上場株式(時価に換算した価額による)によって納付することができる。



■解説

(A)正解
基金令24条
厚生年金基金は、加入員が当該基金の加入員となる前の期間であって、次のいずれかに該当する期間を、老齢年金給付の額の算定の基礎として用いることができることになっている。
1.当該基金の加入員に係る基金の設立前の期間のうち、当該基金が設立されていたとしたならばその者が加入員となっていたと認められる期間その他これに準ずる期間
2.他の適用事業所に使用されていた期間の全部又は一部(規約において当該他の適用事業所の名称及び所在地並びに老齢年金給付の額の算定の基礎として用いる期間に算入する期間が定められている場合に限る。)
よって、問題文は正解である。

(B)正解
法111条1項、法115条2項・3項
適用事業所の事業主が、厚生年金基金を設立しようとするときは、基金を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得て、規約をつくり、厚生労働大臣の認可を受けなければならないことになっている。
そして、政令で定める事項に係るものを除き、規約を変更したときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならず、認可がなければ規約変更の効力を生じないとされている。
よって、問題文は正解である。
なお、政令で定める事項に係る規約の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならないことになっている。

(C)正解
基金令16条
標準給与の基礎となる給与の範囲は、次の標準給与の区分に応じて定める範囲に一致するものでなければならない。
ただし、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでないとされている。
1.報酬標準給与は、厚生年金保険法に規定する報酬の範囲
2.賞与標準給与は、厚生年金保険法に規定する賞与の範囲
よって、問題文は正解である。

(D)誤り
法144条の5第2項
厚生年金基金は、規約で定めるところによりその年金給付等積立金の一部を、設立事業所の事業主が実施する企業型の確定拠出金の資産管理機関に移換することができるが、その場合には、企業型年金を実施する設立事業所の事業主の全部及び加入員のうち、年金給付等積立金の移換に係る加入員(移換加入員)となるべき者の2分の1以上の同意と加入員のうち移換加入員となるべき者以外の者の2分の1以上の同意を得なければならないとされている。
よって、移換加入員となるべき者以外の者の2分の1以上の同意についての記述がない問題文は誤りである。
なお、企業型年金が実施される設立事業所が2以上であるときは、移換加入員となるべき者の同意は、各設立事業所について得なければならないことになっている。(法144条の5第3項)

(E)正解
法139条5項、基金令34条の3
平成12年の法改正により、事業主が掛金を拠出金しやすい仕組みを整備し基金の積立不足の早期解消に資するという観点から、設立事業所の事業主が保有する上場株式(時価に換算した価額とされている)を、基金の同意があることその他政令で定める条件の下に掛金として納付することができるようになった。
よって、問題文は正解である。

  

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